Fate/stay night
1151話
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「ふふん」
凛の台詞に自尊心を刺激されたのだろう。得意気に鼻で笑ってみせるイリヤ。
……それでいながら俺の方に一切の視線を向けてこないのは、やはりまだバーサーカーの事が引っ掛かっているからだろう。
それでもイリヤの敵意が凛ではなく俺に向かっているのは、ある意味助かったと言えるだろうな。
そんな風に考えながらも、俺達は城の中へと入っていく。
その際にセイバーがどこか懐かしげな表情を浮かべていたのがちょっと気になったが……まぁ、その辺は多分後で説明されるんだと思う。
ちなみにグリフィンドラゴンは何だか名残惜しげにしていたけど、まさかあんな巨大生物を連れて歩ける訳もないので、既に消えて貰っている。
何だかセイバーやライダーがグリフィンドラゴンを見て物言いたげな様子だったけど、結局何を言われるでもなく消えてしまった。
尚、そんな2人とは別に、凛も目を輝かせてグリフィンドラゴンを見ていて、後日鱗や羽毛を寄越すようにと言われたのは……多分魔術師としてその辺の素材が欲しかったのだろう。
ともあれ城の中に入っていくと、2人の人影が姿を現す。
「セラ、リズ、お茶の用意をお願い」
「畏まりました」
「うん、分かった」
「リズ」
「セラはうるさい」
そんなやり取りをしているところを見ると、多分メイド……というか、世話役なのか?
疑問を抱きつつ、応接室らしき場所に案内される。
さすがに城と言うべきか、かなり豪華な部屋で何やら高そうな絵画とかが壁に飾られていたり、椅子やテーブルなんかの家具も高級そうなものに見える。
もっとも、別に俺は高級な家具とかを見極める目利きって訳じゃないから、多分高級なんだろうなと思う程度だが。
けど、アインツベルンっていうのは由緒ある家柄らしいし、まさか贋作とかを使ったりはしないだろう。
「お茶をお持ちしました」
「ありがとう、セラ。リズも」
「うん。……バーサーカーは?」
リズと呼ばれたメイドの台詞に、イリヤは少し悲しげな表情を浮かべて、無言で首を横に振る。
それだけでバーサーカーがどうなったのかを理解したのだろう。リズと呼ばれたメイドは小さく俯く。
そのまま出て行くのかと思いきや、メイドの2人は黙ってイリヤの後ろに控える。
考えてみれば、まさか自分達の主人を敵だらけの場所に置いていく訳がないか。
イリヤに嫌われている俺にも、紅茶はきちんと出されている。
客を差別するのはこの家主として許せないのか、どうなのか。
ともあれ、紅茶を口に含むと……美味い。
凛の淹れた紅茶も美味いけど、こっちは本職の分だけより美味いな。
「さて、それじゃあ落ち着いた事だし、話を聞かせて貰いましょうか。衛宮君、桜を助けるとか言ってたけど、どういう事
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