第34話 Goodspeed of the East3
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は
今までの剣戟のどれよりも重い。
全てを断ち切るかのような意思が篭ったその斬撃は、どんな相手でも断ち切れる程の威力を有していた。
「ははっ…………」
ガクンと思わず片膝をつき、大きく肩で息をする。この一撃は、斬撃を飛ばすというだけでも相当な集中力を使う。それに必殺の力を込めたのだ。呼吸を整えるなという方が無理である。
この技は、カズハですら乱発をしなかったほどに体力を消耗する。だからこそ、絶大な威力を発揮するのだ。それが直撃してしまえば並大抵な相手ならば一撃で勝敗が結する。
「嘘だろ…………」
相手が、並大抵であればの話だが……
「まだ動けるのかよ」
「ええ。今のは驚いたわ。まさかSSSと同じ物を使えるだなんて」
スティグマ何たらというものをカズトは知らない。そんな物を、今知る必要はない。
必要なのは、カズトの攻撃が避けられたという結果だけだ。
いまの彼には、最早勝つための手段は無い。
「参った。降参だ」
「……へ?」
グラディウスを地に落とし、ヒラヒラと手を振った。それは降参のポーズ。突然のことに、研究員は唖然としてる。
「どういうつもりなの?」
「言葉通りの意味ですよ。もうクタクタなんで。ここらでお開きにしませんか?」
それに、と言いながらチラリと此方を観察している研究者達を見た。
「あいつらにタダでデータをあげるのも癪なので」
「……フフッ、面白いわね。あなた」
キャシーも納得したらしく、ボルトウエポンをしまった。その表情はどこか晴れやかだった。
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「本っ当にごめんなさい??」
模擬戦が終わった直後。カズトは学園長へと頭を下げていた。当の本人はそこまで怒っていないのだが、カズトとしては勝手な真似をしすぎた手前、謝らなくては気が済まないのだ。
「いいんですよ。相手側もデータはある程度取れたと言っていましたから」
「いや、それでも勝手な真似をしたのは事実ですから……」
ニコニコと笑顔が張り付いてはいるが、内心怒っているのがヒシヒシと伝わってくる。普段優しい人ほど怒ると怖いのは万国共通のようだ。カズハも怒るとこんな感じになっていた気がする。後がひたすらに怖いのだ。
「まぁ、相手側からもぐちぐち言われたのは事実ですし」
「うっ…!」
「いやらしい目で見られたのも事実ですし」
「うぅっ…!」
「金銭ではなく体を対価にと言われたのも確かです」
「それ本当なんですか??」
「ですが、全く私は気にしていませんので、あしからず」
「嘘だ!絶対に気にしてる??」
その笑顔の裏には何が隠されているのか聞きたくもない。
恐怖で顔が引きつっていると、学園長の裏のある笑顔がいつもの優しい笑顔に戻っ
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