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枯れ野原
虫の鳴く音を
懐かしむ
眺めや時雨
侘しき黄昏
寒さが厳しくなるにつれ、草木は枯れて虫の声が懐かしくなってきた…。
あれだけ騒がしかった虫の音…それが全く聞こえなくなった枯れ野原…。
眺めていれば空から細々と雨が降りだし、一人虚しく溜め息を吐く…。
初冬の日暮は早く、物悲しさを増さんばかりの黄昏を眺めるだけ…。
彼は…どこ…?
音もなく
夢もたゆとう
小夜の空
月もなかりて
想い暮れにし
何の音もしない…まるで夢さえ彷徨い出すような静かな夜更けの暗い空…。
雲に隠れて月影もなく、ただ…遠くにある彼のことだけが気にかかる…。
想っても無駄であること…恋しさに抗えないこと…会いたいと切に想う心…。
どれもが意味を為さず、時に流されるだけの私には何も出来ない…。
寂しさと哀しみが取り巻き…ただただ…私の叶わぬ恋を憐れんでいるようだ…。
月は…いずこ…?
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