第1巻……動き出す緋色の運命
2弾 新学期……幼馴染はアリア
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、あいつの隣がいい」
ズルリと、席から落ちる冴えない黒髪男子を指差しながらアリアはいきなりそう告げる。
とりあえず、あの生徒には同情しておこう。
「ハヤト、あんたはあたしの隣に座りなさい!」
……何でだよと言うわけにもいかんので……
「無茶言うな。先に座ってた子たちはどうなる」
と言うオレの抗議にアリアは形のいい眉をギギンッと釣り上げながら「ハヤトのくせに生意気だ!」と言い出した。
……生意気はどっちだよと言おうとしたら、拳銃……ガバメントに手をかけそうになるアリアに頭を抑えながら……
「わかった、好きにしろ」
オレは他の生徒の被害が出ないうちに素直に折れておこうと思う。
全く。H家の人々はどこか子供っぽく、子供みたいにプライドが高い……マジに勘弁してほしいぞ。
しかも、こいつ……まだあの問題を解決してないかもな……
「キンジ、これ。さっきのベルト」
アリアはつかつかと歩いていき、持っていたベルトを男子生徒に投げる。
それを見た金髪のアリアにも負けない位のちびっ子が席を立ち、騒ぎ出すのを尻目にオレはリサに声をかける。
「リサ、すまんがオレの幼馴染殿のワガママに付き合うことにするが……問題ないな?」
「はい!リサはわかっています……ご主人様ですから!」
「ば、バカ!?声がでかい!」
……あ。
……顔を紅潮させてのそのセリフはマジでやめてください、リサさん……恐る恐る振り返ると……教室はシーンとなっていた。
「ご、ご主人様……?」
青い顔でキンジと言う男子生徒の隣に座っていたガタイのいいツンツン頭が呟いた。
「はい!ハヤト様はリサのご主人様なのです!」
教室はさらに静まる……一部の男子は血涙を流してオレを睨んでいる……何故だ?
「あー……何でしょう、ミドルネーム教えとくべきですかね……オレはハートネット家出身です。取り敢えずよろしくお願いしますね」
さらに沈黙……な、何故だ!?
「ハートネット家……つったら……黒猫の二つ名を持つ三代目トレイン・ハートネットの!?」
「は、はい……」
こうなるから言いたくはなかったのだ……まともな友達はいない……家柄を明かすとみんなが遠巻きにオレに羨望間を持って接してくる。
でもオレには両親のような才覚はない……だからみんな……オレに幻滅して……。
「ご主人様……」
「ッ!」
いつの間にかリサがオレに抱きついてきていた。
リサの鼓動を感じる……そうだ……もうあの頃のオレじゃない……ハートネットの名を持つことを誇れるくらいに己を鍛え上げた……!
「もう一度言う。オレは天道・ハートネット・ハヤト
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