序曲……物語の始まり
プロローグ その畢……旅立ちのH
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オレがこの伊・Uの根城に来て迎える冬……2月中頃である。
例のごとくオレは射撃訓練場で弾道の見切りの練習をしている。
オレと向かい合うようにM60重機関銃を設置してあり、オレは引き金を引くために足元のペダルを踏む。
するとフルオートの弾丸が俺に向かって銃口から飛来する。
ペダルを踏むと機関銃の引き金が引かれるのだ。
オレはペダルを離して「S&W M29 .44マグナム(6.5インチモデル)」を右手で構える。
そして、オレは眼に体内で生成したタキオン粒子を流して見える周りの景色を置き去りにするようなスーパースローに変える。
これはどこぞのライダーたちのクロックアップ……つまりは超高速の「動き」を見ることができるようになる能力の模倣だ。
彼らのようにタキオン粒子を体内に流動させて動こうとすると間違いなく体が空気抵抗とその速度に耐え切れず蒸発するだろう。
だからオレはこの能力を単なる視覚強化に使うことにしたというわけだ。
話が逸れた……オレはそんなことを考えながら.44マグナムの引き金を引く。
ドゥッ!ドゥッ!ドゥッ!ドドドンッ!
バヂバチバチバチ……ッ!
30発の7.62mmNATO弾をオレは6発の.44マグナム弾で弾く……これはオレ命名の「ディフェンス・カートリッジ チェイン」だ。
オレは迫ってくる7.62mmNATO弾の弾道を完全に見切り、.44マグナムの6発連射でその全てのNATO弾を弾く曲芸射撃だ。
シャーロックが銃の応用の際に見せてくれた技を猿真似道化でオレなりにコピーした結果、こんな曲芸射撃になってしまった。
まあ、使い所はあるから問題ないけどな……どこでつかうのかは知らん。
NATO弾5発に対して1発の弾数で弾けるとは……やっぱマグナム弾はパワーが違うな……そのかわり反動がでかいが。
意識してな撃たないといけないのは仕方ないとして……対策も練らないといかんな……マグナムを使用する際は。
ふと、射撃場の入り口に気配を感じた俺はそちらを向く。そこにはリサがいた。
リサはクラシック調……ヴィクトリアンメイド服で清楚にきめているが、その腰には革ベルトで吊るした剣を下げてある。ベルト付属ホルスターには「コルト・ガバメント」が収められており背中にはスリングで吊るした「Browning M1918 」を背負っている。
……あの、どこの戦場に向かうんですか?オレのメイドさんは。
「これがリサの標準装備なのです!」
「お、おぅ」
俺はそう返すことしかできなかった……今リサ、俺の心読まなかったか?気のせい……だよな?
「で、なんでそんなに重装備なんだ?」
「リサも射撃訓練しようかと思いまして。もうそろそろ時期ですから
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