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魔道戦記リリカルなのはANSUR〜Last codE〜
Epico40ドラゴンソウル〜The Boss of Lindwurm〜
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†††Sideルシリオン†††

心が折れた。リンドヴルムの首領の正体が、よもや魔界最下層の、しかも王クラスの魔族・黄金竜スマウグだったとは。魔族・魔獣属の王クラスの大半がEXランクの魔力を有している。それに知能も高い。“エグリゴリ”なんて目じゃない程に強大な戦闘能力を持っている。今の、いや全盛期の俺ですらも全開戦闘でようやく拮抗できるレベルだ。

(逃げるか? 馬鹿な、こんな怪物をアールヴヘイムに放置して逃げるなど論外だ。なら戦うか? 死ぬ、これは死ぬ。八方塞か・・・! ではどうする! 考えが、解決策が出て来ない!)

「ルシル!」『マイスター!』

シャルとアイリに呼ばれてハッとする。焦りが俺の思考を掻き乱してくる。どうすればいい、シャルの視線がそう訴えてくる。複雑に絡み合った思考をすべて破棄。そして俺は逃げではなく・・・

「シャル。君の魔力を分けてほしい」

「ん、判った」

戦いの道を選んだ。シャルは何も言わずに俺に魔力を送ってくれた。契約術式メンタルリンクの恩恵だ。契約によって魔力炉(システム)をリンクさせ、互いの魔力を受け渡し合えたり、術式発動の負担を分担できたりする。シャルの魔力+神器から回収して新しく作った魔石、最悪ジュエルシードを使って・・・スマウグを討つ。

「シャルは単独レンアオムへ帰還。なんとしても転移門の意識であるケリオンを見つけ出し、門を閉じ、二度と開かないように自身を封印するように頼んでくれ」

「了か――って、はぁ!? あなたはどうすんの!? まさか・・・このままアールヴヘイムに残るわけじゃないでしょうね!?」

「それは・・・」

一度は考えた。だが「ないな。ちゃんと帰るよ」そう返す。リアンシェルトやレーゼフェアは向こう側の次元世界に居る。その2人を放ったままこちらに残るわけにはいかない。

「出来れば具体的な作戦を聴きたい!」

『マイスター。アイリも聴きたいんだよね。あ、マイスターのこと信じてないわけじゃないんだよ! マイスターの身の安全をハッキリさせておきたいだけで!』

そんな時間は無いんだがな。スマウグは俺を殺すつもりはないようで攻撃は仕掛けてこないが、今もなお全身から放つ熱波には参りそうだ。

「スマウグは火竜だ。体内で命の火が燃えている。それゆえに体内に入り込んでしまうほどの大量の水が苦手なんだ。エーギルを使えば何とか・・・」

水流系最強のエーギルを全開発動すれば弱らせることくらいは出来るはず。あとは弱まったところで真技を撃ち込めば殺すには至らなくてもダメージは与えることが出来る・・・気がする。あくまで願望に過ぎない、確実に勝てると考えることが出来ない。神秘の差で言えば2:8。俺が2でスマウグが8。魔力でも神秘でも劣る俺。シャルやアイリに言え
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