第十七話
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輩が冗談だというのが遅かったら泣き出してたと思う。それくらいショックが強かった。今はものすごくホッとして、すぐ隣からテンが冷めきった目を向けていることすら気にならないレベルである。ついでになんだかわき腹にグサッと刺さったような感覚があるんだけどそれも気にならな……
「って痛いッ!?」
いわけがない!痛い!その部分がものすごく熱を持ったように熱い!そう思ってわき腹を触ってみるけど、何か刺さっているわけでも、服に穴が開いてるわけでも、血が出ているわけでもない。そんな不思議なわき腹を抑えながら恨みがましくテンを見てみれば、そこでは何もないかのように箸を進めている。どうなっているのだろうか、これは。あれか?『夢の通りに殺す』ロアだからそれ以外の方法で殺すことが出来ないとかなのか?
「ん、どうしたんだ、カミナ?」
「いえ、何でもないです先輩。ホントに大丈夫ですから」
「そうか?ならいいんだけど」
と、なんでなのかこんな奇行をしているのに先輩はさらっと流した。助かるんだけど、なんでこうもあっさりと?俺がそう言う人間だと認識でもされてたらちょっとショックなんだけど。
「ところであーちゃん先輩、その怖い噂話と言うのは何なんですか?」
と、俺がそんなことを考えていることなど知らないのか、もしくは分かっていても気にも留めないのか、そんなことを先輩に尋ねている。いやまあ、確かに重要なことだけど。噂話、つまりロアに関わることなんだから。けど、できれば人の脇腹に何かを突き刺したことも覚えていてほしい。
「うん?そんなのに興味があるのか?」
「はい。あたしたち三人とも民俗学に興味があるので、どんなものなのかな、と」
「……カミナが、民俗学?」
「そんな心底ありえない、みたいな目を向けないでください!」
あれ、今度は否定してこないんですけど……え、マジで?マジでそう言う印象?
「つっても、私も全部知ってるわけじゃねえんだけどな」
「ケホケホ……なるほど、怖くて途中で聞くのをやめてしまったんですね?」
「ティア、最近お前さん遠慮がなくなってきてないか?」
うん、俺もティアがあんな発言をしたのは驚きだ。
「が、まあ悔しいことにその通りなんだけどな……聞いた通りに話したら怖いから超簡略化するぞ?」
「まあ、はい。大丈夫ですよ」
「んじゃま、簡略化して……昔、人が多いだとか食料が足りないだとかその他もろもろの理由から子供を殺してた村があるんだと。んで、山を歩いているとその村に迷い込んでしまい、その村人たちに殺されちまう……みたいな感じだったかな?」
「……まあ確かに、それをしっかりとストーリー付きで聞いたら怖いかもですね」
さらっと言われたらそうでもないんだけど。
「それで、それはなんて
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