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英雄は誰がために立つ
Life21 蠢く者達
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夫の言葉にヴェネラナは怪訝さに眉を歪ませる。

 「いや、違うのさ。私が言いたいのは種族や価値観の違いもあれど、これからも如何かリアス達をお願いしてもいいかい?と言う我儘なのだよ」
 「切り出し方が紛らわしいわよ?」
 「そうかい?」
 「これは調きょ――――お仕置が必要ですわね・・・」
 「ま、待ってくれ!?そんな気は微塵も無かったんだ!だから如何か話を――――」
 「ごめんなさい、士郎さん。私たち《・・》、少々これからすぐに用事(・・)が出来――――作ったので、これにて失礼しますわね。それと如何か不束な娘ですけど、今後ともリアスと言い友人関係をお願いしますわね」

 士郎の返事も聞かずに夫は引きずりながら城に戻っていく夫人。
 引きずられながら言い訳をする公爵は、視線が重なった士郎に助けを請う。

 (士郎君、如何か助けてほしい!私に出来る事なら何でもするから!!!)

 切実な公爵のアイコンタクトに、士郎の返事はと言うと――――。

 (強く、強く心を持って生きて下さい)
 (そんなーーーーーーーーーー!!!?)

 公爵の一縷の望みを迷いなく断った士郎は、十字を切ってから祈りながら考えていた。

 (折檻の執行に処される時に、母さんに引きずられていく父さんと同じだ。あーー、だから授業参観の日の夜にあんなに父さんと意気投合していたのか、グレモリー公爵は・・・)

 公爵が城の中にまで引きずられて行き、扉が閉まるまで士郎は公爵の生きざまを見続けていた。
 そこに、サーゼクスとの挨拶を終えたリアスが来た。

 「あら?士郎。御母様と御父様は?」
 「急遽やることが出来たと、お帰りになったよ」
 「こんな時に?何かあったかしら・・・」
 「詮索しないであげてくれ、公爵閣下の名誉のためにも」
 「?」

 リアスは士郎に言葉の真意が判らずに、ただ首を傾げていくだけだった。
 その後に、グレイフィアとミリキャスには直接挨拶をしてから、列車に乗り込んで冥界を後にする士郎だった。


 −Interlude−


 「さぁ、士郎!親友である私との別れの抱擁をしようでは無いか!!」
 「父様、士郎さんならリアスお姉様と一緒に列車に乗って行かれましたよ」
 「・・・・・・・・・」

 残酷な現実に、真実を告げた自身の息子ミリキャスを、無表情で見下ろした。

 「私とミリキャスには直接の挨拶をして行かれましたわ。魔王様には私の方からよろしく伝えてほしいと伝言を賜りました」
 「・・・・・・・・・・・・」

 残酷なる仕打ちに、グレイフィアを一度見てからワナワナと、手を震わせる。

 「次こそは、次こそはッッ!!」
 「母様?父様は如何したんでしょうか?」
 「見ちゃい
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