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英雄は誰がために立つ
Life21 蠢く者達
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か?」

 オーディンの助言と提案に感謝したアザゼルは、そうしとくと返事をした後に、ミカエルに写真を送る様に携帯機器を操作し始めた。

 「・・・・・・一応聞いとくけどよ、他に何か知ってることあるか?」
 「知ってることと言われてものう・・・。後他には――――」

 その2人をよそに、士郎達は士郎達で会話をしていた。

 「一気に話が広がりましたわね」
 「ええ。しかも謎の敵の情報が、ここにきていきなり入るとは・・・。そこまで幸先は悪くないわね」
 「確かにな。だが――――って、何してるんだ?ゼノヴィア」

 ゼノヴィアは何故か、士郎の匂いを嗅ぐような行動をしていた。
 そして――――。

 「士郎さん・・・」
 「な、何だ?」

 まだ何も言われていないのに、今迄の経験から脳内で警鐘が鳴りだしたのか、思わずたじろぐ。

 「士郎さんは日程を変えられないほどの大切な用事があって、私たちのレーティングゲームを観戦出来なかったんですよね?」
 「あ、ああ・・・」

 ニゲロニゲロと警鐘がさらに強く鳴り響くが、此処で何の理由も何に逃げるわけにはいかなかった。
 何より来たばかりだし。

 「だったら如何して士郎さんの体から、女性ものの香水の匂いが纏わり付くように匂うんですか?」
 「え?」
 『・・・・・・・・・え?』

 ゼノヴィアの思わぬ疑惑に、士郎も含めた皆が虚を突かれたように固まる。
 因みに士郎の脳内の警鐘だけは、激しく鳴り響き続けていた。
 そして疑惑の眼差しで士郎を見るゼノヴィアの目は、据わっていた。
 まだ半年も経過していない間だが、ある程度士郎の事は理解出来ていた。
 少なくとも身だしなみとしてなら兎も角、オシャレ感覚で香水をつける人では無いと言う確信を持っていた。女性が好んで使う系の香水なら直の事。
 固まっていたメンバーの中でいち早く起動した小猫が、ゼノヴィアと同様に士郎の周りの匂いを嗅ぎだした。

 「・・・・・・・・・・・・ホントです。士郎先輩から香水の匂いがします」
 「小猫、それホント?」
 「はい」
 「どういうことですか?士郎君」

 小猫の確認の返事に、士郎の周りのメンバー――――特に女性陣の語尾が強く、ゼノヴィア同様に目が据わっていた。
 この事に士郎はハッとして思い出したのだ。
 冥界に戻ってくる直前までライネスのデート(買い物)をしていた際は、士郎に甘えるようにかなり密着――――具体的には腕を絡めるのは当然の事で、時には自分の胸を押し付けるようにもしていた。
 士郎は鈍感なので、それが異性への好意からの積極的なアプローチだと気づけなかった。
 兎に角、その時のライネスが士郎に纏わり続けた結果、ライネスが付けていた香水が士郎にも纏
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