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英雄は誰がために立つ
Life21 蠢く者達
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だと言わんばかりに廊下の奥へ消えて行こうとする。

 「ま、待ちなさ――――」
 「聞きたいならそっちの白龍皇(リーダーさん)通してライダー(旦那)に聞いてくれよ。テロリストと見做されてる俺らの間にそんなもんが残ってるか知らないが、それが筋だろ?」

 自分に答えられることはそれまでと、今度こそ奥に消えて行った。

 「むぅ・・・」

 拒絶こそされたが、士郎の事を今も気にかけている黒歌は、単なる興味心でもなんでもいいから状況を知りたかったのだ。
 とは言えこのままじっとしても始まらないので、ヴァ―リたちがいる部屋に戻る事にした。


 −Interlude−


 『――――遅いっっ!!』
 「う゛」

 冥界に戻ってから、一直線にレーティングゲームに出場した者達の治療を行った医療施設に着いた士郎への第一声がそれであった。
 士郎も、自分が遅れ過ぎた事への後ろめたさもあったので、言い訳せずにリアス達やソーナたちの責めの言葉を聞いていた。

 「――――ふぅ。この辺にしておきましょう、リアス。士郎君も悪気があって居なかった訳では無いのでしょうから」
 「・・・・・・・・・分かったわ。でも士郎、一つだけ教えてくれない?本当に日程は変えられなかったの?」

 ソーナの言葉に一応の理解を示したリアスは、翻って士郎に尋ねる。

 「今回の事はすまなかったと思っているが、日程の変更は無理だった」
 「如何してなのですか?」
 「数年前から交渉に交渉を重ねた結果、やっとの思いで会談の席を用意してもらった――――つまり、頭を下げてる立場だ。幾らが懐が広く温暖な方だからと言って、立場もあるだろうから予定変更など出来る筈も無かったんだ。だが、重ねて謝罪させてもらう。本当に今回は、すまなかった」

 改めて頭を下げる士郎に、リアス達は仕方が無かったんだと何とか憤りを押さえて、自分を無理矢理納得させる。
 そんな士郎達を見てアザゼルは興味を覚える。

 「その交渉相手って言うのは誰なんだ?」
 「・・・・・・・・・ゼウス様ですよ」
 「ゼウスの親父だと!?」

 まさか士郎の口からそんな超大物の名前が出るとは夢にも思っていなかったアザゼルは、大いに驚いた。

 「あれ?ゼウスって、何所かで聞いたような・・・」
 「何所かってイッセー君、本気で言ってる?」
 「まさか有名人?」
 「有名も有名ですわ。ギリシャ神話の主神におわす御方です」

 一誠の知識不足に朱乃と祐斗の2人がかりの説明によって、漸く理解して思い出して来た。

 「あーー、松田が昔やってたゲームに出てきた気がするな」

 などと気の抜けた返事をする一誠をよそに、興味心から残っていた北欧神話の主神がズイッと前に出て来た
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