Fate/stay night
1150話
[1/5]
[8]前話 [1]次 最後 [2]次話
復活したバーサーカーは、当然のように手に持っていた岩の斧剣を振るう。
唸りを上げながら迫ってくるその岩の斧剣を回避するのは難しくはない。
だが、俺は敢えて左手を前に突き出す。
俺が普通の人間であればまだしも、サーヴァント……それも、本来は存在しないイレギュラーサーヴァントだ。
ステータスの全てがバーサーカーを上回っており、同時にバーサーカーは対英雄の効果によってそのステータスを低下させている。
……正直、ここまでであれば、俺としても素手で岩の斧剣を受け止めるような真似をしようなどとは思わなかっただろう。
だが、今俺には混沌精霊というスキルがある。
俺自身、このスキルがどういうスキルなのは大体理解出来るが、記憶を失っているせいか完全に使いこなせているとは言えない。
である以上、これからの戦いに備えてきちんとこの混沌精霊というスキルを使いこなせるようになっておく必要があるだろう。
念動力の方は、最初から使い方を分かっていたのを思うと、恐らくこの混沌精霊というのはより俺の失われた記憶に深く関わっているスキルだったのかもしれない。
ともあれ、まずは俺自身の筋力に魔力放出を使っての実験だ。
俺の頭部目掛けて振り下ろされた斧の岩剣を受け止め、それと同時に魔力放出。
俺の身体から放出された魔力は、あっさりとバーサーカーの振るった岩の斧剣を受け止める事に成功する。
「■■■■■■■■■■■ー!」
俺が受け止めたその武器を手元に引き戻そうとするバーサーカー。
その動きには特に逆らうことなく手を離してやり、魔眼を使用。
……が、バーサーカーは特に堪えた様子もなく、再び俺目掛けて岩の斧剣を振り下ろしてくる。
その一撃を回避しながら、バーサーカーの腕を蹴って後方へと跳躍。
再び魔眼を使用する。
だが、相変わらず効果なし。
どうなっている? 一瞬疑問に思ったが、魔眼のランクはCであり、決して高くないという事を思い出すと納得してしまう。
なるほど、抵抗されている訳か。
となると、魔眼を試すとしても、もっと弱い相手……と思いきや、既に残っているのは俺よりも強力な魔眼を持っているライダーに、クラス的に高い魔力抵抗力を持っているセイバー、それと神出鬼没としか言えないランサーのみだ。
ぶっちゃけ、ランサーに効果がなければ使いようがない死にスキルだな、これ。
「何をやってるの、バーサーカー! そんな奴なんかさっさと倒しちゃって!」
「■■■■■■■■■■■ー!」
イリヤの命令に雄叫びを上げながら、あの巨体とは思えない程の素早さでこっちに向かってくるバーサーカー。
まぁ、炎獣の使用を考えていない今なら、特にその辺は気にしなくてもいいと判断したんだろう。
こちらも魔力放出を使い
[8]前話 [1]次 最後 [2]次話
※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]違反報告を行う
[6]しおりを挿む
[7]小説案内ページ
[0]目次に戻る
TOPに戻る
暁 〜小説投稿サイト〜
利用規約/プライバシーポリシー
利用マニュアル/ヘルプ/ガイドライン
お問い合わせ
2024 肥前のポチ