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ウイングマン バルーンプラス編
3 脱出
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の音は?」
桃子と美紅はその音が気になって、キョロキョロと辺りを見渡した。
「ポドリアルスペースが消滅する音よ。この音が聞こえたらすぐに身を隠す場所を探して」
アオイの言った言葉通り、数秒後には天地の風景が逆転した。
そして、時間が動き出した。
3人に緊張感が走った。
地下の駐車場で静かな場所だが、今までが3人の音しか聞こえていなかった世界にいたので、外から漏れ聞こえてくる音が少しうるさく、多少過敏になっていた。
地下駐車場には桃子の思惑通り人影はなかった。
しかし、いつ、誰がやってくるとも限らない。特に入り口付近は危険だ。
奥なら人目につきにくいし、人が入ってくれば気づくこともできる。
比較的な安全な場所だと桃子は考えていたのだ。
夕方と言えど、駐車場のまだ入り口付近は日が差し込んできていた。
しかし、その辺りを除けば昼間でも日の光は入ってこなかった。
そのため蛍光灯が点いている。
十分に周りを見ることはできる明るさではあったが、省エネなのか薄暗かった。
コンクリートに囲まれているので、少しの物音でも案外響くが、気配をなるべく消せば、簡単には人に気づかれないだろう。
3人はなるべく物音をたてないようにそろりそろりと慎重に歩を進めた。

冷静になればばるほど、気になることがあった。
体がベタベタするのだ。
3人はかなりの急ぎ足でここまでやってきた。
落ち着いたとはいえ、今でもハアハアと肩で息を切らすくらいだ。
運動量に緊張もあって、汗だくだった。
駐車場の一番奥で、ようやく落ちつけた3人は、お互いに自分たちの姿を見て驚いた。
着ていたトイレットペーパーのコスチュームが汗でベチャベチャだ。
完全に透け始めていた。
特に美紅の胸に巻いたとトイレットペーパーが薄かった分、完全に溶け始めていて、胸にゲル状の何かを塗っただけのように見えた。
「いや〜ん、何、コレ!?」
これは美紅も想定をしていなかった。
とりあえず、早く、身を隠せるものは何かを考えた末に思いついたのがこの案だった。
水に流せるのだから冷静に考えれば、この結果は当然だ。
桃子も胸にべったりと張り付いて乳首が完全に透けていた。
下はもっと悲惨だった。タイトスカートだったはずが、完全に体に張り付いててお尻はもとより前もくっきりわかるような状態になっていた。うっすらゲル状のものに覆われていることはわかるが焼け石に水だ。何も隠せてないのとかわらなかった。
桃子は思わず股間を手で隠した。


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