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ウイングマン バルーンプラス編
3 脱出
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効力を伝えた。
恐らく今の自分の力ではそれほど長くはもたないと考え、2人に時間を意識させた。
「え〜っ!?」
桃子は思わず声を上げた。
10分でどこまでいけるかを考えてみると、手ごろな場所が思いつかなかった。
先頭を走るアオイに美紅は疑問をぶつけた。
さっきは先の行動を考えずに動き出した自分だったが、やはり人の行動に追随するならその先の考えを知りたかった。
「これからどうするんですか? 10分だったら行けるところなんて……」
美紅にもその先をどうすべきかは想像がつかなかった。
アオイの家はこここらどんなに急いでも30分はかかる。
美紅の家も同じくらいの距離だった。
一番近いのは桃子の家。それでも15分はかかってしまう。
「そんなに短かったら、私ん家にもつかないよ〜」
桃子はそう思ったが、2人の後を必死で追いかけた。

とにかく人目につくところはまずい。
デパートの中などもってのほかだ。
だからこそアオイはダッシュをしたのだ。
しかし、そこから先は、アオイもノーアイデアだった。
ただ、一刻も早く安全な場所にたどり着かなければいけないことだけはわかっていた。
それを考えれば桃子の家に逃げ込むのがベストな選択だ。
「とりあえず桃子ちゃんの家を目指そう!」
アオイは2人そう伝えた。
「私ん家だったら、どんなに頑張っても10分じゃ着かないですよ〜」
桃子はアオイが自分の家の距離を見誤っているのだと思った。
「あ、途中で一旦休憩するから!」
アオイは当然、そのことは織り込み済みだった。
一度、中間地点で休みを取らないとまずいことになってしまう。
ただ、そのとき、タイムリミット以外にも危険が潜んでいることは2人には伝えなかった。
そのことを知れば、2人の動き迷いが出る。それは簡単に想像ができた。
とにかくデパートから脱出が先決だ!
一目散でデパートの下まで駆け下り、出口から飛び出すとアオイは少し速度を落とした。
「え? どうしたんですか?」
桃子はその動きに疑問を感じた。
今の状況から一刻も早く抜け出すには、全力疾走あるのみ!
そう考えていたからだ。
今の自分はトイレットペーパー製のタイトスカートの下はノーパン状態。別にアオイと美紅に見られることには抵抗はないが、やはり、今の状態は落ち着かなかった。
だからこそ、なるべく早く自分の家にたどり着きたいという気持ちも強かった。
「ポドリアルスペースは敵に解除されてしまう可能性もあるのよ」
街を速足で駆け抜けながら、アオイは桃子の疑問に答えた。
隠すつもりもないし、2人には知ってもらっていた方が何かと都合もよかった。
しかし、予想通り美紅と桃子は激しく動揺していた。
タイムリミット内に桃子の家に届かないというだけでも動揺していたのに、今の発言は一
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