十六話:真実と嘘
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しなければ同じことが繰り返されるだけだろう。
「だから、ある程度は質量兵器にも精通しておかないといけない。物によってはどこの組織が後ろにいるか一発で分かる代物もあるしね。それに知っていれば対処も可能だ。まあ、今回は映像から調べて探してもらったが」
「なるほど……」
「ただ、僕としては君達にはあまりそういったことをして欲しくないんだけどね」
感心しながら頷くフェイトにクロノは苦笑いする。
自分の母親も自分が執務官になろうとしているのを見ている時はこんな気持ちだったのではないか。
そう漠然と思い、そっと横目で見てみるとニコリと笑みを向けられる。
やはり母には敵わないなともう一度苦笑してから逸れていた話を戻す。
「とにかく、地球に何らかの関係がある可能性が高い。ミスリードを誘う線もあるが、それなら有名な管理世界にするのが普通だ。こういうのもなんだが、地球を知っている次元世界の住民は極稀だからね」
見当違いの場所に目を向けさせたいなら如何にも、というところにした方が捜査の目を逸らしやすい。
だというのに、魔法文明の無いマイナーな世界を選んだのは何らかの関わりがあるからに他ならない。
ランダムに選んだという可能性もなくはないが、クロノはあの男がそのような行き当たりばったりの行動をするようには思えなかった。
あくまでも念密に、緻密に、計画を立てるタイプだと二度の戦いから感じ取っていた。
そのような人物でなければ自分の父親のことをだして挑発することもない。
相手はクロノ・ハラオウンについて調べ上げ、最も心を乱す言葉を選んできた。
しかし、単純に父親に怨みを持つ人物、または関係者という線も捨てきれない。
父、クライドの交友関係についても調べておく必要はあるだろう。
「そして、その推測を基に条件に一致する人物を調べてみたら一人の該当者が居た」
「本当!?」
「ああ。だが、あくまでも僕達の権限で調べられる範囲の人物から探しただけだから確率としては低い。どこかの世界の見知らぬ魔導士が偶々主になった確率の方がよほど高い」
「それでも、凄いじゃない。それでそいつは何者?」
僅かな情報からここまでの考察を打ち立ててみせたクロノを師匠であるロッテが褒める。
アリアの方は無限書庫でユーノの検索の手伝いを行っている最中だ。
周りの期待の籠めた視線を受けながら若干答え辛そうにクロノは告げる。
「できれば当たって欲しくないが―――魔導士殺しのエミヤだ」
その言葉にリンディは息を呑み、なのはとフェイトは魔導士殺しという物騒な二つ名に眉を顰める。
ロッテはその名前が出ても相変わらずの表情で変化は見られない。
ここまで突き止められるのは驚きではあるが全て想定内であり、
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