十六話:真実と嘘
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だ救いようはある。だが、前者であれば最悪だ。
完成してしまえば誰も救われることのない終焉が訪れる。
しかも、どんな願いかは知らないがそれしか道がないのであれば相手の抵抗は必須。
文字通り死に物狂いで向かってくるだろう。
「せめて話ができれば最悪の事態は避けられるんだけど……やっぱり難しいわよね、フェイトさん」
「はい……。一度覚悟を決めたらそれ以外のものに目を向けないし、話も聞かない。……昔の私みたいになっているから、難しいかもです」
「そうよね……。でも、フェイトさんみたいなら諦めなければ必ず声は届くわ。ね、なのはさん?」
「え、は、はい!」
いきなりリンディから話をふられて慌てるものの、力強い返事を返すなのは。
その言葉にフェイトは少し嬉しそうに頬を赤らめる。
暗くなりかけていた空気も少し持ち直したところでクロノが別の議題を持ち出す。
「それで主の正体について何だが、銃弾の種類、魔法と質量兵器を組み合わせた戦闘、魔法を用いない高速機動、これらから少なくとも真っ当な魔導士じゃないことが分かる」
「まあ、魔導士の戦いって言うよりも質量兵器全盛期の戦いみたいだよね」
「ああ、それと特にカートリッジ銃弾何だが、製造元は分からなかったが、調べたら地球で使われている銃弾をわざわざ模して作られていた。おまけに銃器も全て地球で出回っている物がデザインだ。次元世界ならもっと高性能なやつが幾らでもあるのにも関わらずにね」
クロノの考察にエイミィが相槌を打ち、さらにクロノが続けていく。
コンビと言われるようになって長いがエイミィが居るときはクロノの口がよく回るというのがアースラ内で共通の認識となっている。
「それって地球にかなり馴染んでいるってこと?」
「もしくは使い慣れているからだな。そうなってくると出身世界が―――地球というのもあり得る」
闇の書の主が同じ世界出身かもしれないということに目を見開くなのは。
フェイトも驚くが同時にクロノがやけに銃器に詳しいことに小さな疑問を抱く。
「クロノ、どうしてそんなに詳しいの?」
「フェイト、君も執務官を目指すなら覚えておいた方がいい。僕達は目の前の犯罪者を捕まえたら仕事が終わりというわけにはいかないんだ。後ろを叩かない限りは終わらない」
「後ろ?」
「例えば質量兵器を使った犯罪が起きたとする。その時に犯人が使った質量兵器。まさか、犯人が自作したわけじゃないだろ?」
「あ!」
そう言われてみてハッとするフェイト。
質量兵器を使った犯罪者がいるということはその後ろにそれを売った者がいるということだ。
質量兵器の所持が禁じられている以上、当然密売だ。
犯人を一人捕まえてもそれは氷山の一角にすぎない。
密売の大元をどうにか
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