十六話:真実と嘘
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しようと続けようとしたところではやての部屋から人が倒れる音が聞こえてくる。
つまりは、はやてが倒れたということに他ならない。
「はやて!?」
「すぐ行きましょう!」
主の身に何かが起きたことを察した騎士達が慌てて駆け出していきかけ足を止める。
体が心を置き去りにして必要なことだけを選択させる。
そんな懐かしい症状に切嗣は心の中で呟く。
―――もう、あの中に戻ることは出来ないのかと。
アースラ内部にて主力メンバーによる闇の書事件の会議が開かれていた。
その中には狙撃により気絶させられたフェイトと肩を撃ち抜かれたクロノの姿もあった。
フェイトは特に問題はなく、クロノは安静にしておけば傷は直ぐに塞がる。
しかし、リンディは大人として親として声をかける。
「それじゃあ、会議を始めたいんだけど……本当に大丈夫? フェイトさんにクロノ」
「はい、大丈夫です」
「激しく動かない限り問題はありません」
「そう……でも、無理だけはダメですからね」
声を揃えて問題はないと答える子ども二人に溜め息をつきたい気分になる。
しかし、心情的にはやはり自分達だけが休むというのも辛いと分かっているので二人の意思を尊重する。
同時に、どこか似た者同士の、これから兄妹になるかもしれない二人に目を細めるのだった。
「では、早速ですが闇の書の主の目的について、アルフさん、アルフさんお願いします」
ザフィーラから話を聞いた、アルフ。切嗣と会話をした、なのは。
この二人が事件解決のための鍵となる闇の書の主の目的について語る。
「アタシが聞いたのは主の幸せのためってことと、闇の書の完成以外に選択肢がないってことだね」
「私の方はただ一つの願いって聞きました」
「ただ一つの願い……それが叶えば幸せになれる。一体何なのかしら」
二人の証言を照らし合わせても明確な答えは見えてこない。
逆に情報を小出しにされているせいで混乱してしまう。
ただ、一つだけ見えてきたことはある。
「闇の書を破壊のために使おうとしていないことだけは確かそうね」
「そうですね。主の願いが何であっても取り込まれての破滅が幸せになるとは思えませんし」
リンディの意見に同意するようにエイミィも続ける。
世の中には世界と共に滅びてしまいたいと考える異常者もいるが極稀なため、省いても問題はないだろう。
彼等は何らかの明確な願いがあって行動していることは間違いない。
しかし、そうなってくると。
「ヴォルケンリッターと主は闇の書の完成が滅びだと知らない。もしくは死なずに済む方法を確立しているか……」
クロノが言うようにこの二つの可能性が浮上してくる。
後者であればま
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