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リリなのinボクらの太陽サーガ
喪失
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い人が歌っている可能性の方が現実的に高いけど、これが本当にニダヴェリール出身でしかも月詠幻歌の歌い手なら……絶対に守り抜かなくてはならない。もしその身に何かあったら、それは希望の完全消失を意味するのだから。

[フェイト……聞こえる、フェイト……?]

「あれ? この声……姉さん?」

「アリシアの声だって? あたしには聞こえないけど……」

[今、私とフェイトのエナジーを通じて声を届けてる。ミッドチルダ中に響いてるこの歌が星全体のエナジーを増幅して、それを可能にしたんだ]

「この歌がエナジーを? って、え? ミッドチルダ中に届いてるの、この歌?」

[うん、なんか特別なエナジーが作用してるみたい。それと……ちょっと待ってて、今からそっちに精霊転移するから。すんごく寒いけど、むむむ〜……転移!]

そう言った次の瞬間、私が横になっているベッドの隣へ姉さんが転移してきた。ただ……一つツッコみどころがあるとすれば、それは……。

ゴトリ。

「わぁあああああ!? アリシアがカチンコチンに凍ってるぅううううう!!!?」

[あ、ごめんアルフ。言い忘れてたけど事情があって当分身体凍ったままだから、このまま話すね!]

見るからに寒そうな状態の姉さんがそう言ってくるけど、予想もしてなかった光景をいきなり目の当たりにしてアルフがひっくり返ってる。そもそも氷漬けって……目をギュッと閉じて何かの攻撃に備えて腕で顔を覆ってる状態で固定されてるけど、クロノの凍結魔法でも受けたのかな?

[ある意味そんな感じ。実はね……ごめん、こっちしくじっちゃった。ファーヴニルが凍結魔法で反撃したせいで、私だけじゃなくて皆も氷漬けになってる。今も指一本身動き取れない状態だよ。普通の凍結魔法と違ってファーヴニルの暗黒物質が込められてるから、さっきまで精霊転移すらできなかったんだ]

「暗黒物質の入った凍結魔法!? それって他の皆は大丈夫なの!?」

[ん〜ぶっちゃけかなりマズい。放っておいたら魔導師でもアンデッド化してしまうから。だけどしばらくは……感覚では日没まで大丈夫……この歌が届けるエナジーが皆を暗黒物質の浸食から守ってくれてる、おかげでギリギリ私も精霊転移できたんだ。でも氷をどうにかしてる訳じゃないから、皆を早く氷から出さないといけないよ]

「そんな……じゃあ救助は!?」

[選抜部隊の生き残りが氷を壊して助け出そうと頑張ってるけど、暗黒物質が混じってるせいでかなり手こずってる。何も削れてない訳じゃないんだけど、削れてるスピードはかき氷器以下だね。あのペースだと日没までに救助するのは不可能だよ。氷の性質を鑑みるに多分、パイルドライバーで増幅した太陽の光を長時間当てるか、ファーヴニルを封印しない限り、皆を解放できないと思う
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