暁 〜小説投稿サイト〜
リリなのinボクらの太陽サーガ
喪失
[4/15]

[8]前話 [1] [9] 最後 最初 [2]次話
瞬で安心したね、ギン姉。やっぱりサバタさんを信じているから?」

「そうね、確かに私はサバタさんを信じているよ。だって、あの人はただ強いだけじゃない、本当に大切な事を知っている。だからどんな奴が相手でも大丈夫だと思える。それに私だっていつかあの人に認めてもらえるまで強くなるんだから、それまで誰かに負けてもらっちゃ困るのよ」

「素直にサバタさんは誰にも負けて欲しくないって言えば良いのに……」

「うっ……そ、それは……その……うん、まぁその通りよ。だけどさ、スバルだって同じじゃないの? 基本スタイルをお母さんが教えてくれるシューティングアーツじゃなくて、サバタさんが教えてくれたCQCの方にしようとしてるんだもの」

「うん、そのつもりだよ。サバタさんの事は私もすごく尊敬してる。指名手配の件で知ったように、サバタさんの体質は普通とは違う。私達と同じように……。でもそれを感じさせない、むしろ生まれの違いを既に克服している。その心が羨ましいんだ。その精神を身に付けたくて、サバタさんのように強くなりたくて、私は自在にCQCを使えるようにしたい。シューティングアーツも良いけど、多分こっちを基本スタイルにした方が強くなれる気がするんだ。それに……CQCの方がこの力を使わないで済むと思うし……」

「あ〜なるほど……そういう考えもあったのね。それならスバルのやりたいようにやれば良いわ、私も応援するから。……それと、私だってシューティングアーツに組み込めるCQCを教えてもらったんだから、スバルには負けないわよ?」

「いやいや、私なんかじゃギン姉には全然敵わないって」

謙遜するスバルに「もっと自信を持っても良いのよ」と優しく撫でるギンガ。会話内容の一部は意味不明だったが、とりあえず二人ともサバタさんを心から信頼しているみたいだ。指名手配の件を知っても彼を信じている辺り、何だかサバタさんの足跡を見ているような気分になる。

さて……かなりの長時間、入り口を塞ぐ瓦礫をどうにかしようとしていた市民達だったが、やはり何十、何百キロもの重さがある瓦礫を取り除くのは出来そうにないと判断したらしい。疲れ切った事で副産的に頭が冷えたのか、騒動は収まったようだけど代わりに物凄く落ち込んでいた。……避難所であんな風に暗くなっている人達を見ていると、11年前を思い出す。あの大破壊の日、ヴェルザンディ遺跡に避難した私達も恐怖や絶望を嘆いていた。だから彼らが抱いている気持ちも我が身のように理解できるのだ。
自分の力ではどうしようもない危機に直面した時、人は未来を信じる事が出来なくなる。そして今まで培ってきた物や手に入れた物が全て失われるという喪失感を抱く。それらが多ければ多い程、失う事に対する恐怖が大きいものなのだが……ミッドチルダの人達はその恐怖が普通より肥大化
[8]前話 [1] [9] 最後 最初 [2]次話


※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]違反報告を行う
[6]しおりをはさむしおりを挿む
しおりを解除しおりを解除

[7]小説案内ページ

[0]目次に戻る

TOPに戻る


暁 〜小説投稿サイト〜
利用規約/プライバシーポリシー
利用マニュアル/ヘルプ/ガイドライン
お問い合わせ

2024 肥前のポチ