喪失
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瞬間、ファーヴニルはこの世界に存在する全ての人間の声を認識した! 今こそ、ファーヴニルの真の力を見せる時!!」
「チッ……むざむざやらせるか!!」
すぐさま瞬時加速でお兄ちゃんはラタトスクに斬りかかるが、異次元転移で避けられてしまう。そのまま姿を見せず、ラタトスクは次の句を告げてくる。
「この瞬間を待っていた……この世界の文明を静寂に陥れる、その時が満ちるのを! ラジエルの……特にあの真空波の魔女には発動しようとする度に邪魔をされたせいで、結局数日かかってしまいましたが……今回はそうはいきません!」
「マズいな……あらかじめ準備はしてきたが、果たして耐え切れるか……!?」
「文化の根幹、人の起源でもある言語……それを奪い、世界を静寂に飲み込む!! 言語吸収ッ!!」
ラタトスクがそう叫んだ次の瞬間、お兄ちゃんは咄嗟に上空にいた3人の魔導師と質量兵器から出てきた少女達と同化、黒いオーラを繭のようにして身を守る姿勢を取る。
同時にファーヴニルの角が輝き、得体のしれない力で私達の中から何かを吸収―――――!?
「ぅ……ぁぁ……?」
感覚的にまるで身体の中身がごっそり抜き取られたのと同時に、今までの記憶……言葉……知識……文化……言語で構成されていた全てが……闇の中に飲み込まれる……。私を司る全ての言語を失った事で、私は何もかもがわからなくなった……。それはまるで何も言わず、理解もしない人形……即ち“退行”した存在へと堕ちてしまったのだ……。
……この瞬間、ミッドチルダからミッド語、ベルカ語、デバイス語、英語、日本語が消失。ほぼ全ての人間から言語が喪失し、世界が静寂に包まれた……。
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