喪失
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「そ、それじゃあパイルドライバーを使えば……!」
[それは無理、あそこは海上だからパイルドライバーを設置できないんだ。戦艦の上もスペース的に足りないし、何よりパイルドライバーは太陽だけじゃなくて大地の力も借りてる訳だから、戦艦みたいな人工物の上では使えないの]
「つまり……八方ふさがり!?」
[いや、そうとは限らないよ。太陽の使者の代弁者としての能力が、私に伝えてくる。この歌を信じろって、この歌を守り抜けって。ここまで私に強く伝えてきたのは初めてだから、間違いなくこの歌こそが“月詠幻歌”だよ……!]
「月詠幻歌!? ほ、本当に……!?」
[確証は無いけど太陽意志ソルが直接訴えてるんだ、信頼度は高いよ。あ、それとフェイト、今自分のリンカーコアの状態がわかる?]
「え? リンカーコアの状態?」
言われるままに私は自分のリンカーコアの状態に意識を集中させてみる。“姉さん達”との戦いで私のリンカーコアは凄まじく消耗していて、実は私の魔導師生命が尽きたも同然と言える程の惨状だった。しかし……、
「あ、あれ? 妙だな……いつの間にか損傷した部分が回復してる? それに身体もさっきより力が入るし……一体どうして?」
[やっぱりね。月詠幻歌はエナジーの増幅、供給の他にリンカーコアの修復や弱めの回復効果も入っている。このままいけばフェイトのリンカーコアは、後数分で元通りになると思う。なのはとクロノのリンカーコアも、今頃修復が始まっているに違いない]
「え? 二人もリンカーコアを損傷したの!?」
[うん……なのははファーヴニルの破壊光線から街を守るためにカートリッジの連続使用をして、クロノはラタトスクにリンカーコアを直接握りつぶされたせいでね……。普通なら間違いなく二人とも、魔導師生命が終わっていたと思う。でも……歌の回復効果が、フェイト達の魔導師生命を蘇らせた。いや、そもそもそれはあくまで副次的効果に過ぎない。一番重要なのはファーヴニルの封印能力……未来を取り戻す戦いに勝利するためのカギだよ!]
「あ……そうだね、この歌が月詠幻歌ならファーヴニルを封印出来るはず。って、ちょっと待って。今戦ってる皆はこの事を知ってるの……?」
[う〜ん、知らないだろうなぁ。こりゃラタトスクに気取られる前に、急いで皆に歌い手を守らなきゃいけないって伝えないとね! 早速、私が精霊転移で……あ! しまったぁ! 私カッチカチに凍ってた! これじゃ伝えられないじゃん!]
「何やってるの姉さん……。……こうなったら……私が行くしかない……ッ!!」
気合を入れるべく歯を噛み締め、力を込めて上体を起こそうとする。するとアルフが、慌てて私の身体を支えようと背中に手をかける。だけど今までと違って途中で体力が尽きて元の
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