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リリなのinボクらの太陽サーガ
喪失
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な言葉を口走り、管理局の体制に文句を言ったり、神頼みで祈ったり、恐怖に押し潰されないように耐えたりと、とにかく色々だった。最後のオレンジの髪の子はともかく、他の人達は下手をすれば暴動を起こしそう。

「はぅ……人の多い所は苦手だから、早く外に出たい……」

「むしろここにいる方がネガティブになりそう。早くギン姉に会いたいよ」

「スバルもこんな澱んだ空気は嫌なんだね。ギンガを見つけたら少し落ち着ける場所にでも行こうか?」

「うん、そうする」

今の状況で落ち着ける場所なんてあるのかって疑問もあるけど、地面が揺れるたびにスバルがビクッと怯えるため、震える彼女の手を握って安心させる。だがその時、入り口の方から聞き捨てならない内容を含む大声が聞こえてきた。

「なんだって!? 今の衝撃で入り口が塞がって出られなくなった!?」

そこから悲鳴や怒号などがあちこちから飛び交うが、要点をまとめると……曰く、入り口の傍にある何らかの建造物が崩れて、その瓦礫が入り口を覆ってしまったらしい。それで避難訓練のマニュアルの内容をちゃんと覚えていた人が、別のシェルターへ移動するために奥の通路を通ればいいと進言する。それで文句や愚痴を言いながらも、市民達は奥の通路へ歩いて行った……と思ったら、先頭を進んでいた人が焦った様子で戻ってきた。

「た、大変だ! 奥の連絡通路の天井が崩落して、完全に土砂で埋まってる! あれじゃあ重機でも持って来ない限り通れないぞ!!」

「もしや、ここ最近話題になっている点検の書類偽装か!? 手抜きか、もしくはコスト削減のために、耐久度や経年劣化の基準を緩くしているという……!」

「いくら何でも避難所の点検まで手を抜かないでよ!? 確かに使う機会が少ないからって……!」

「ちょっと待て、じゃあ俺達はここから出られないって事か!? ふざけんじゃねぇ! 何としても俺はここから出てやる!!」

「何言ってるの、私だって外に出たいわよ!!」

「皆さん、落ち着いて下さい! ここは冷静になって……!」

「冷静になってる場合か! ここが密閉された空間になった以上、悠長にしてたら俺達全員生き埋めになるかもしれないんだぞ!!」

それを聞いた次の瞬間。強い危機感を抱いた市民達は一斉にパニックを起こし、まるで暴徒のように入り口に殺到、瓦礫を取り除いて外に出ようとしていた。他のシェルターまで通路がどれだけ続いているのか不明な以上、瓦礫さえ取り除けば外に通じる入り口をどうにかしようとするのは当然の判断だろう。しかし瓦礫の方も鉄筋コンクリートや柱などの人工物が大量にあるわけで、いくら何でも人間の手だけで取り除くには正直無謀とも言えた。

「はぁ……。入り口が塞がれたのは外にいるお兄ちゃんも気づいてるんだから、待
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