百合の軌跡
第2話 美しい光の糸
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…三匹…。)
くのいちの数あるスキルの中でも、私は特に姿を消す…『隠形術・おんぎょうじゅつ』系統のスキルに特化した戦闘スタイルにしていた。
私自身はそこまで筋力や力がなく、普通に戦っていてはモンスターや男性冒険者たちに劣ってしまう。
そんな状況を打開するために私はくのいちとなり、自身の速度を上げるスキル《縮地》…相手の気配をより感じとるためのスキル《感覚強化》…そして気配を断ち切って闇に紛れる『闇隠れ』のスキルをメインに成長させている。
ガッ!!
闇に紛れた私は、刀でまたウルフを斬り捨てる。
シオン(残り…二匹…。)
先に敵を見つけ、闇に紛れ、速くて鋭い攻撃をする『暗殺』のみに特化した戦闘…それが私のスタイルだ。
今の私は…夜ーーー闇の中での戦闘においては、ほぼ無類の強さを誇る。
☆☆☆☆
スノウ「流石、ね……。」
瞬く間にウルフのグループの二匹を切り捨てたシオン。
くのいち らしく、闇に紛れて大ダメージを与えて離脱するスタイルに特化しているようだ。
《闇隠れ》を使用して闇に紛れての不意討ち、それが単純なメレーではないのが分かる。
魔法《ライト・シールド》をかけていたお陰でおぼろげに位地は把握出来るが、そのスピードでシオンの姿を捉えることすら私は出来ない。
シオンがもう一匹ウルフを倒すと、闇に紛れたシオンを見失った残る二匹のウルフが私の方へと向かってきて。
スノウ「やっ!」
強化を施してスタンとノックバックを付与してあるメイスで二匹のウルフを釘付けにする。
ウルフはのけぞり、退き、棒立ちになり…そんな繰り返しで攻撃のチャンスを得させてあげない。
スノウ「《シールド》……必要無かったかしら?」
☆☆☆☆
シオン「っ…!」
私が姿を隠してしまったので、残る二匹のウルフがスノウの方に向かってしまい…私はまたいつもと同じ光景を繰り返してしまう。
シオン「ーーはぁああっ!」
スノウの攻撃で怯んだウルフの背後に私は現れ、そのまま刀で二匹を斬り捨てる。
シオン「……その…わ、悪かったわね 貴方の方に敵を逃しちゃって…。」
そして刀を鞘に入れ、少しだけ申し訳なさそうに思うがそれを見せず、私は無表情のまま彼女に言葉をかける……私と一緒に戦闘を体験した彼女はきっと、いつもの連中たちみたいに去っていくのだろうと思いながら。
☆☆☆☆
スノウ「いいのよ、私は大丈夫だから。」
シオン「えっ……あっ…。
(なんで…どうして…そんな優しい言葉を…?)」
私はメイスを納めて、謝ってくれるシオンの肩を叩く。
すると、どうやら彼女は私に優しくされ戸惑っているようだ。
なので、私は少し彼女に聞くことにしてみる。
☆
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