5部分:第五章
[2/2]
[8]前話 [9]前 最初
。君達は無意識のうちにストーカーがいるって思ったんだよ」
「それでだったの」
「あれが出て来たってのか」
「そうさ。これで話はわかったね」
「いえ、ちょっとそれは」
「わかれって言う方が無理じゃねえのか?」
二人はいぶかしむ顔でこうアーサーに返した。
「私達がそんな奴がいることを望んでいたって」
「それは」
「その証拠に君達だけが見えていた」
しかしアーサーはその事実を述べる。
「それが何よりの証拠というわけなんだよ」
「そういうものなのかしら」
「それであんな奴が見えたのか」
「けれど君達はそれの正体がわかった」
アーサーはこんなことも言った。
「いないということもね。だからもうあの黒い男は見ないよ」
「そうなの。もう」
「いなくなったっていうのかよ」
「完全にね。幻は幻だってわかった時に幻じゃなくなる」
こんな言葉も出て来た。
「だからだよ。これで私の治療は終わったよ」
その言葉通り二人はもうその黒い男は見なくなった。そして二人はやがて結婚して仲良く過ごした。だがそれまでには確かにそうした障害があったのである。いなかったにしてもだ。
影男 完
2009・12・29
[8]前話 [9]前 最初
※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]違反報告を行う
[6]しおりを挿む
[7]小説案内ページ
[0]目次に戻る
TOPに戻る
暁 〜小説投稿サイト〜
利用規約/プライバシーポリシー
利用マニュアル/ヘルプ/ガイドライン
お問い合わせ
2024 肥前のポチ