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髑髏の微笑み
5部分:第五章
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ままだと俺もそうなってたんだな」
「おそらくはな。どういう殺され方をされたかまではわからないが」
 髑髏は言う。
「わしと同じ運命だっただろうな」
「殺されてたてことかよ。ん!?」
 ディックはここまで聞いたところで気付いた。
「そういえば」
「彼女か?」
「ああ、何処に行ったんだ」
「彼女なら逃げたよ」
「あんたのことに気付いてか」
「そうだ。だが心配はいらぬ」
 髑髏はカタカタと歯を鳴らして笑った。
「わしはあの女の居場所ならすぐにわかる」
「そうなのか」
「左様。だから何処に行っても必ず追いついてやる。必ずな」
「しかし。あんたがエミーに殺されたなんてな」
 これがまだ信じきれなかった。
「しかも髑髏になって」
「あの女はそれが趣味なのだ。人を殺してその血に塗れることを最も愉しむ」
「頭がおかしいのか」
「そうだろうな。悪魔に取り憑かれているかも知れぬ」
「俺はその女と結婚するところだったんだな」
「わしが来ていなければな。危なかったな」
「ああ、そのことは有り難うな。ところで」
「何だ?」
「もう行くのかい?あんたは」
「ここに留まる理由はないからな」
 髑髏は言った。
「すぐにでも行かせてもらう」
「そうか、じゃあ頑張りな」
 ディックはそう声をかけた。
「自分の仇を取りたいんならな」
「そうだな。ではそうさせてもらおう」
 髑髏はそれに応えて述べた。
「ではな」
「ああ。できれば今度会う時はこんな形じゃなかったらいいな」
「ふふふ、確かに」
 髑髏は彼の言葉を聞いて笑った。表情の無い筈の髑髏が微笑んだように見えた。
「今度会う時は天国だ」
「ああ、そうか」
「そこで会うとしよう」
「その時は飲もうぜ、バーボンをな」
「わしはバーボンはあまりな」
「じゃあ何だい?」
「ビールがいいのだ」
「わかった、じゃあそれで一緒に飲もうぜ」
「うむ、それでは」
 髑髏はすうっと姿を消した。その後には影も何もなかった。ディックだけがそこにいた。彼はその揺れる影さえも消えてしまった髑髏を何時までも見ているのであった。
 エミーは逃げたことになった。周りの者は彼に同情していたが本人は至って平気な顔であった。
「よお」
 そんな彼にリーが声をかけてきた。
「久し振りだな」
「そういやそうだな。何処に行ってたんだい?」
「ああ、一緒にここに来た奴の手伝いでな。店を作ってたんだ」
「店をか」
「国の食べ物だ。出来たら来てくれ」
「ああわかった。清の料理か」
「美味いぞ」
 リーはそう答えて満面に笑みを浮かべた。
「清の料理はな。ちょっと違う」
「そうか。それは楽しみだぜ」
 ディックもそれを聞いて満面に笑みを浮かべさせた。やはり美味しいものというと期
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