Fate/stay night
1149話
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バーサーカーに吹き飛ばされた俺が、この場にいなかった時間。
それ程長い時間という訳ではないが、それでもあのバーサーカーや敵対した相手には容赦のないイリヤを前にして、凛が無事だったというのは、普通では考えられない。
つまり、普通ではない出来事……衛宮達がイリヤに対して時間を稼いでくれたのだろう。
それが意図的だったのか、無意識だったのか。それは分からないが、それでも衛宮達のおかげで凛が無事だったのは事実。
それを考えれば、ここで見逃す程度の事はしてもいい。
そんな俺の気持ちを理解した訳でもないだろうが、グリフィンドラゴンは俺から顔を離すと、衛宮達の方へと向けて唸り声を上げる。
まるで地の底から響いてくるその唸り声は、幻想種であるが故の魔力に満ちていた。
グリフィンドラゴンの唸り声を聞きながら、厳しい表情を浮かべている衛宮やセイバー、ライダーの方へと視線を向ける。
「お前達には借りがあるからな。今日は見逃す。……ただし、バーサーカーを倒すのは既に決定事項だ。それに手を出すような真似をした場合は安全の保証は出来ない。何もせずに動かないで待っていれば、こっちも特に何もすることはない。それとライダー。俺に向けるその目を止めろ。これ以上俺にその魔眼を使うようなら、敵対行為と見なす」
「……分かりました」
俺の言葉に、大人しく眼帯を嵌めるライダー。身体に掛かっている負荷が消えたのを確認してから、改めてバーサーカーの方へと向き直る。
何だか後ろの方で衛宮が騒いでいるような声が聞こえてきたが、今は流させて貰おう。
「さて、待たせたな。それじゃあ……始めようか。まずは小手調べだ」
右手を白炎へと変え、そこから炎獣を作り出す。
狼、虎、獅子、鳥といった諸々の炎獣。その数、約20匹。
白炎により身体を形作られたその炎獣は、バーサーカーを包囲するようにして動く。
数が多いと判断したのだろう。バーサーカーも、背後に庇ったイリヤを放って攻撃に出る事は出来ず、ただ自分達を包囲する炎獣を、唸り声を上げながら見ている事しか出来ない。
『ちょっと、アークエネミー? あんた、その能力は……』
『悪いな、詳しい話はこの戦いが終わったらさせて貰うよ。ただ、今はもう暫く黙って見ていてくれ』
『分かったわよ。けど、この戦いは……サーヴァント3人を相手にしても何とかなるのね?』
この戦いというのが、俺の勝利で終わるというのは理解したのだろう。どこか安堵したような雰囲気を発しながら告げてくる凛の言葉を最後に、再びバーサーカーへと向き直る。
正直、炎獣はバーサーカーの一撃で消滅するとなる程度の戦力しかない。
けどその代わり、俺の魔力がある限り幾らでも作り出せる。
そして俺には魔力生成EXのスキルがある以上、
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