Fate/stay night
1149話
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危険だな。
「なら、お前達にはこいつの相手をして貰おうか。……来い!」
一言。たったその一言だけで、空間に穴が開き、その存在が姿を現す。
上半身は鷲、下半身はドラゴン。後頭部からは捻れるような角が前方に突き出ており、もう1対は後方へと伸びていた。背中には翼と羽がそれぞれ1対ずつ存在している。
スライムに続く俺のもう1つの宝具。
グリフォンとドラゴンのキメラとでも呼ぶべき存在、ランクAの対軍宝具である、グリフィンドラゴン。
混沌精霊のスキルが解禁された事により、この宝具扱いのグリフィンドラゴンも自由に使えるようになった。
「これは……グリフォン? いえ、それとも竜種? どちらにしろ、こんな場所にいていい存在では……」
呆然と呟くセイバー。ライダーもその隣で厳しい表情を浮かべ……衛宮とイリヤは言葉も出ない程にその存在を見上げる事しか出来ない。
「GYAAAAAAAAAAAAAAAAA!」
ここに姿を現せたのが余程に嬉しかったのか、高く鳴く。
それだけで周囲に圧倒的な声が響き渡り、理性を失っているだろうバーサーカー以外の者達は、凛も含めて動きを止める。
「GYAAAA?」
俺の方を見て嬉しげに鳴き声を上げるグリフィンドラゴン。
正直、こういう存在を従えているというのは理解しているのに、どうやってこの存在を従えるようになったのかというエピソード記憶がないのが残念だ。
とはいえ、ここでこっちの弱みを見せるような真似をする訳にもいかず……
こちらに頭を下ろし、擦りつけてくるグリフィンドラゴンの角の生えている頭を撫でながら口を開く。
「俺があっちのでかいのを相手にするから、お前はそっちの3人を相手にしてくれ。……あの無傷の女はライダーだ。もしかしたらお前に乗って操ろうとしてくるかもしれないから、くれぐれも気をつけろよ。そしてこれが最優先になるけど、痛めつけるのはいいが、殺すな」
「GYAAAA?」
訝しげな顔――と見分けられるのが自分自身でも不思議だが――で俺の方へと視線を向けてくるグリフィンドラゴン。
まぁ、記憶を失う前の俺がどんな性格だったのかは分からないけど、まさか衛宮のように仲良しこよしを目指すような性格じゃなかったのは事実だろう。
恐らくだが、敵対した相手に対しては人を殺すような事になってもそれを躊躇ったりはしなかったと思われる。
何となく感覚でそれは理解出来た。
そんな俺が、何故敵を殺さないのか。それをグリフィンドラゴンが疑問に思ってもしょうがない。
実際、これが聖杯戦争である以上、機会があったらサーヴァントの数を減らすのが当然なのだから。
「あいつ等には借りが出来たからな。少なくともここでどうにかはしないつもりなんだよ」
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