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グランバニアは概ね平和……(リュカ伝その3.5えくすとらバージョン)
第37話:良い娘・悪い娘・普通じゃない娘
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強くテーブルを叩きすぎて紅茶を溢しちゃうくらい怒った。
それを見たマオさんが素早く後片付けをするが、殿下はそれにすら気が付かないくらい怒ってる。
殿下は真面目だし妹思いだから怒るのは当然だ。

「父さんは……その事を僕等の父さんは知ってるのか!?」
知らないんじゃないかなぁ?
知ってたら、いくらリュカさんでも怒ってるだろうし……

「知ってるわよ。お父さんには隠し事しないし、その事を含めて恋愛関係では相談に乗ってもらってるから」
知ってんの!? 何で止めないの? 父親として如何なの!?
ってか、それを含めた恋愛相談って……

「あのクソオヤジ、何考えてんだ!」
皆がドン引き状態で佇んでると、ブチ切れた殿下が腰から剣を抜き放ち、猛スピードで室内へと入って行く。
100%リュカさんを探して斬り掛かるつもりだと予想される。

「あの……良いんですか? 殿下を行かしちゃって……」
「どうしようもないだろ……キレたティミーさんを止める事が出来るのがリュカさんだけなんだから。俺等が下手に動いても、痛い思いをするだけだ……」
アニキぃ、そりゃ解ってるけど……

「あの……アルル様が落ち着く様に言えば、殿下も我に返るんじゃないんですか?」
「如何かしらね? ムダかもしれないわよ。 ……それに私もティミーと同じ気持ちだし、止めなくても良くない?」
ダメだ……やっぱりリュカ家の人々は普通じゃない。

そうこうしてると城内(プライベートエリア)から激しい物音が聞こえてくる。
殿下とリュカさんが剣(リュカさんは杖)を交える音。
あ、雷撃が聞こえた……ライデイン(まさかギガデインじゃないよね?)を唱えたらしい。

“ドン”という音と共に殿下が窓ガラスを破って中庭に落下。
空中で器用に体勢を整えると、鮮やかに着地し直ぐさま臨戦態勢。
殿下は自分がブチ破った窓に視線を向ける。

そこにはリュカさんが居り、颯爽と殿下目掛けて飛び降りる。
殿下はリュカさんが着地するタイミングを見計らって斬激一閃!
しかしリュカさんはそれを予測してたらしく、バギマ(風だけ)で空中旋回。

虚空を斬り付けた殿下の後方に回り込み、ドラゴンの杖で竜化!
エビルプリースト戦で化けたドラゴンよりも更に巨大なドラゴンに化けて、殿下を踏みつける。
本気では踏んでないのだろうけど、押さえ付けるのには成功。

「お前、何なんだいきなり!? そんなに王位が欲しいのなら今すぐにでも譲るぞ。父親を殺さなくてもね……」
「そんな物要るか! 僕が欲しいのは常識ある父親だ、この非常識オヤジ!」
殿下……すいません。貴方も十分非常識だと思います。

アローSIDE END




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