第106話 少年達は解答に疑問を重ねるようです
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確かに全部説明して欲しい所だけれど、時間が惜しいし・・・愁磨さんが指定した時間までも
余裕がある訳じゃない。そしてこういう時、一番頼りになるのは――
「で、あたしらが無事に帰る為にはどうしたら良い?」
最大限も無駄を省きつつ、けれど色々な答えを聞き出せる質問を、千雨さんが数秒で
導き出してくれた。やっぱりこの人は凄い。僕に出来ない事をサラッとやってのけてくれる。
「そこにシビレるあこがれるぅ!ですか?フフフ、千雨さんも好かれたものですね。」
「だから人の思考を読まないでください!」
「君が分かり易いのですよ。……それで、千雨さんの質問の答えですが。始めは――」
ザッ
「始めは俺が答えようか。」
「うおっ!?……なんやどっかで見たオッサン!?」
アルビレオさんが促すと、丁度到着したらしい、白髪に無精髭の壮年の男性が現れた。
小太郎君が言うとおり、どこかで・・・いや、あの映画の中で見た人だ。たしか――
「ガトウ、早かったですね。」
「急な用だろうが本職だからな。時間はかけられん。さて……今までの報告も兼ねるから、
少し長くなるぞ?」
新しく参戦したガトウさん・・・大戦の終わりからずっと、諜報活動を続けていたらしい。
「最も初めの事から行こうか。質問は許可した後にしてくれ。
この『魔法世界』と呼ばれる世界を創ったのが『造物主』と言う事は分かっているだろう。
それを成したのが『造物主』こと"ツェラメル"と"フェイト"の『創造』の能力と、彼等が前いた
世界の住人の"魂"あっての成果だ。その後、火星の時空軸と異相に創られたこの世界を存続
させる為にその"魂"を使っていたんだが、地球…"旧世界"から"人間”がこちら側へ流れ、
諍いやら戦争やらが激化し魔力…"魂力"と言えば良いのか。が、遂に限界が見え、それを
解決すべく動いたのが10年前の大戦だったと言う事だ。ここまで質問は?」
「ちょ、ちょ、ちょっと待って下さい。纏まってはいるのですが今理解しますので。」
よし、冷静になろう。愁磨さんが言っていた事と照らし合わせて、理解できる事は排除する。
・・・残るのは造物主の本当の名前と、『創造』という力。ここが火星であると言うのは
僕たちの考えの裏づけが出来たので良し。それで、『完全なる世界』がこの世界を壊そう
と(生まれ変わらせようと?)しているのは、このままだと魔法世界が崩壊してしまうから。
そして大戦の時に戦って、共感したのか・・・その計画に"紅き翼"の人達も協力して、でも
決別して、愁磨さん達だけが協力を続け、今に到る、と。
「んじゃ、私からいいか?」
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