第106話 少年達は解答に疑問を重ねるようです
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」
「だからそれが出来ねぇっつってんだろうが……。」
愁磨さんの演説(?)が終わって僅か30分。血相を変えて帰って来た皆とさっきの一件について
話し合った結果、三段活用の様な結論になった。・・・正確には、その意見しか出なかった。
ラカンさん達でさえ、そう出来たらなー、なんて言っていたくらいだ。
「仕方ありませんね……では状況を整理しましょうか。私達が向かった"墓守人の宮殿"は
偽物で、本物は先程見た通り、かつてあった場所と同じ所に浮いたまま、巧妙に隠されていた
ようです。その中で『完全なる世界』の一味、いえ、『造物主』さえもが生きて計画を進め、
愁磨がそれを手伝っていた、と……。」
「アル、その言い方だと奴等が生きてたのまで俺らが知らなかったみてぇになってんぞ。」
「そもそもワシらも最初の頃手伝っとったしのう。」
ラカンさんの微妙な言い回しに首を捻った面々だったけれど、ゼクトさんがサラッと言った
分かり易い衝撃の事実には吹き出す。
「はぁ!?何その衝撃の事実!?ここに来てまだ隠し事あんのかよあんたらは!?」
「や、だって愁磨も言ってただろ。隠せって言われてたから黙ってが、あいつが言ったっつー
事は……言っても良い段階になったっつー事だぜ?」
「ふぅむ?それは……どういう事かの?」
意味有りげな、危機的な状況になったような表現に、状況を掴みきれていない僕達は
耳を欹て次を待つ。ラカンさんは鷹揚に頷き――
「さぁ?」
「…………あぁ、まぁ、分かってたわよ。アンタがそういう人だって事は。」
「申し訳ないがラカン殿。貴殿が喋ると話が進まないようだから、黙って頂こうか。」
「はぁぁ……勿体ぶっていた私が悪いみたいじゃないですか。」
「あぁあもう悪かったなぁ!?昔から俺ぁ肉体労働一辺倒の脳筋だよ!」
皆から白い目を向けられ、松永にさえ退場を言いつけられたラカンさんは部屋の隅に捨てられ、
三角座りで小さくなりながら(図体は大きいんだけど)静かになった。
その後を継いで、(真面目になれば)一番説明に向いているアルビレオさんが立ってくれた。
「さて、とは言ったものの、どこから説明いたしましょうか?」
「決まってんでしょ!ぜんb「楓さーん、お願いしますー。」ふむががむむがが!」
「……宮崎、お前も慣れちまったか………。」
「"いどのえにっき"を使っていたら、不思議と人の機微に敏感になったんですー。」
「明日菜の場合は不思議でも何でもないけどねー。」
いつものように騒ぎ立てようとした明日菜さんはボッシュートされ、ラカンさんと一緒に
隅に転がされた。
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