第106話 少年達は解答に疑問を重ねるようです
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ど無い、最強の魔法使い。それが大筋、伝説を見聞きした人々の
"英雄・白帝"のイメージ。それが――
『―――この世界の為に、力を貸して欲しい。』
――頭を下げた。ほんの一秒の行動であったが、見ていた人々が受けた衝撃は先程の首刎ねの
数倍だ。その真摯な様子のまま、しかし、見る者が見れば冷め切っていると気づく目で続ける。
『急な宣言に驚いているだろう、理解も追い付かないだろう。しかし、この世界に時間が無い
事も事実だ。計画を成す為の、星の力を最も高められるのは一度だけ。それを逃せば、次の
機会は100年後。確実に世界は滅んでいるだろう。故に、待てるのは55時間。即ち明後日の
12時までに決めてもらう。 賛同してくれる者はここ、墓守人の宮殿直下の転移陣に入って
くれればいい。』
先程MM元老院が映されていたスクリーンの映像が変わり、拡大される。
映し出されたのは、夜空に会っても尚存在感を放つ漆黒の宮殿。全体的なフォルムは十字架型
だが、中心が円柱状に膨らんでおり、大剣のような印象を受ける造りだ。
その直下、剣先には横幅よりも二回り以上大きな魔法陣が浮かんでいる。
『力になってくれるのならば、私が迎えに行こう。動けぬ者が居れば思え。私が迎えに行こう。
見えぬ者が居れば思え。私が迎えに行こう。死の淵にいようとも思え。私が迎えに行こう。
己が幸せを、皆の幸せを願うならば思え。―――私が力になろう。』
そう言い手を差し出す愁磨。見上げていた誰かがそれに向かって手を伸ばし、静かに手を
握り返す。それは、目の見えない声を聞いただけの者も。音の聞こえない見ただけの者も。
それ以外も。・・・ただのパフォーマンスだ。相手を認識などしていない。
それでも・・・それだけで救われ、希望を抱いた者が少なからずいた。
『この魔法世界に生きる全ての者よ、自らが『魂』の声を聞け。憂い、嘆き、悲しみ、願う
モノであったならば、私達の下へ来い。私達が『完全なる世界』に誘おう。
拒絶する者よ、それでもよかろう。立ち向かって来るが良い。それさえも私達は平和な世界で
安寧たる生を謳歌させると誓おう!―――では、諸君の素直な回答を願う。』
それを最後にプツンと唐突に、夜を照らしていた光が消え、静寂が戻る。
それから、たっぷり一分。
『『『『なにいいいいいいいいぃぃいぃいいいぃぃいぃぃいいいいいぃいぃぃい!!?』』』』
魔法世界が、一つになった。
Side out
Side ネギ
「えー、では皆さんの意見をどうぞ。」
「無理!」「帰ろう!」「今すぐに!
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