第106話 少年達は解答に疑問を重ねるようです
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最初に現れた影が
『完全なる世界』の一員だと漸く認める。
『私は彼らと、『完全なる世界』と再び世界を生まれ代わらせる為行動して来た!だがそれは、
諸君との敵対の為ではない!その証拠として!』
再び、反対の腕が横に振われローブが靡いた先。円卓に座る数人の映像が映し出されていた。
魔法世界の人々には見慣れた場所だが、余人は決して立ち入れない場所、MM元老院の心臓部。
この世界における最高権力者達が居座る机の中央に音もなく現れた黒髪の美女・・・
刀子が手にした日本刀を抜き放ち、一般人にも見える速度で周囲360度に円を描く。
何も付着していないが汚いモノを払う様に振るい、納刀。小さな金属音と同時に――−
ゴロンッ
「ヒッ……!」
「なっ……!?」
円卓に座った全員の首が、全く同時に転げ落ちる。それまで静かに演説を聞いていた民衆で
あったが、流石の衝撃に悲鳴を上げる者も少なからず現れ、パニックになりかけるが、呆然と
見上げていた中から、死体を指差す人が現れた。
「……おい、あの死体変じゃね?」
「な、何が変、って………?」
それを見ていた人々も落ち着きを取り戻し――それが最早異常ではあるが――映像を見て、
異変に気付く。真っ直ぐに座ったままの死体からも、転がった首からも、一滴の血も
出ていないのだ。そして、騒ぎが起こり、静まる事も分かっていた様に、ざわめきが収まる
のを待ち、ジャストのタイミングで再開される。
『お分かり頂けただろうか?我らは私腹を肥やす為に戦いを続けていたメガロメセンブリア
元老院の"人間"達を処断し、大戦より今まで十年間、世界を争いから遠ざけていた。
私の……嘗ての仲間であった――』
そこで、影がローブを取り払う。現れたのは誰もが予想しなかった――或は予想通りの――
眩い白。"紅き翼"最強の『白帝』、愁磨・P・E・織原。
『"紅き翼"の面々も尽力してくれた。それでもなお、争いの全てを無くす事はできなかった!
大戦の英雄などと謳われた私達の力を持ってしても!否、我々個人の力など、最初からそんな
ものなのだ!故に!諸君らの『魂』に問おう!世界を消滅させるから悪か!?世界に再び戦を
起こすからただ否定するか!?世界に平和を齎す為に一時、犠牲を出す事を拒絶するか!?
私達は世界を壊すのではない、生まれ変わらせるのだ!争いと悲しみの無い世界に!その為に
諸君の力が欲しい!一人でも多く!だから―――』
超然と、雄々しく、不敵に滅茶苦茶に。誰よりも自由に戦場を駆け、全ての敵を討ち果たす。
魔法世界で出来ない事な
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