暁 〜小説投稿サイト〜
少年は魔人になるようです
第106話 少年達は解答に疑問を重ねるようです
[2/8]

[8]前話 [1] [9] 最後 最初 [2]次話
最初に現れた影が

『完全なる世界』の一員だと漸く認める。


『私は彼らと、『完全なる世界』と再び世界を生まれ代わらせる為行動して来た!だがそれは、

諸君との敵対の為ではない!その証拠として!』


再び、反対の腕が横に振われローブが靡いた先。円卓に座る数人の映像が映し出されていた。

魔法世界の人々には見慣れた場所だが、余人は決して立ち入れない場所、MM元老院の心臓部。

この世界における最高権力者()達が居座る机の中央に音もなく現れた黒髪の美女・・・

刀子が手にした日本刀を抜き放ち、一般人にも見える速度で周囲360度に円を描く。

何も付着していないが汚いモノを払う様に振るい、納刀。小さな金属音と同時に――−

ゴロンッ
「ヒッ……!」

「なっ……!?」


円卓に座った全員の首が、全く同時に転げ落ちる。それまで静かに演説を聞いていた民衆で

あったが、流石の衝撃に悲鳴を上げる者も少なからず現れ、パニックになりかけるが、呆然と

見上げていた中から、死体を指差す人が現れた。


「……おい、あの死体変じゃね?」

「な、何が変、って………?」


それを見ていた人々も落ち着きを取り戻し――それが最早異常ではあるが――映像を見て、

異変に気付く。真っ直ぐに座ったままの死体からも、転がった首からも、一滴の血も

出ていないのだ。そして、騒ぎが起こり、静まる事も分かっていた様に、ざわめきが収まる

のを待ち、ジャストのタイミングで再開される。


『お分かり頂けただろうか?我らは私腹を肥やす為に戦いを続けていたメガロメセンブリア

元老院の"人間"達を処断し、大戦より今まで十年間、世界を争いから遠ざけていた。

私の……嘗ての仲間であった――』


そこで、影がローブを取り払う。現れたのは誰もが予想しなかった――或は予想通りの――

眩い白。"紅き翼(アラルブラ)"最強の『白帝』、愁磨・P・E・織原。


『"紅き翼"の面々も尽力してくれた。それでもなお、争いの全てを無くす事はできなかった!

大戦の英雄などと謳われた私達の力を持ってしても!否、我々個人の力など、最初からそんな

ものなのだ!故に!諸君らの『魂』に問おう!世界を消滅させるから悪か!?世界に再び戦を

起こすからただ否定するか!?世界に平和を齎す為に一時、犠牲を出す事を拒絶するか!?

私達は世界を壊すのではない、生まれ変わらせるのだ!争いと悲しみの無い世界に!その為に

諸君の力が欲しい!一人でも多く!だから―――』


超然と、雄々しく、不敵に滅茶苦茶に。誰よりも自由に戦場を駆け、全ての敵を討ち果たす。

魔法世界で出来ない事な
[8]前話 [1] [9] 最後 最初 [2]次話


※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]違反報告を行う
[6]しおりをはさむしおりを挿む
しおりを解除しおりを解除

[7]小説案内ページ

[0]目次に戻る

TOPに戻る


暁 〜小説投稿サイト〜
利用規約/プライバシーポリシー
利用マニュアル/ヘルプ/ガイドライン
お問い合わせ

2024 肥前のポチ