第3話罪と汚名を被った少年
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試作品段階のデータがそのまま完成品で使われるとは限らない。学校の期末試験の予習で出た問題がすべて本番で出るとは限らないのと同じだ。彼はその可能性を確かめに出たんだ!
「ダメだ!」
「あ?」
「全力で後ろに跳べ!」
「武器が野太刀に変わってる!」
キリトがディアベルさんを止めるために放った言葉にキバオウは疑問のこもった反応をし、オレはテスト時と武器が変更されたことに忠告する。ディアベルさんはその言葉に反応して立ち止まった。ボスは壁や天井を跳び回り持っていた野太刀をディアベルさんに振りかざした。
「ぐっ・・・!うわああああ!」
ディアベルさんはまともにその一撃を喰らい、無慈悲にも新たな追撃を浴びた。
「ディアベルはん!・・・!?」
キバオウは彼の名を叫び、いきなり背後に現れたボスの咆哮を浴び顔をしかめた。
「ディアベル!なぜ1人で・・・」
その時キリトはディアベルさんのもとに駆け寄り、HP回復アイテムの《ポーション》を飲ませようとすると、そのディアベルさんに止められる。
「お前も・・・ベータテスターだったら・・・わかるだろ?」
「!?・・・・・・LAによるレアアイテム狙い。お前も、ベータ上がりだったのか」
ーーー彼は、テスト時代のボスの武器の変更の可能性に気づいていたんじゃなくて、LAボーナス狙いだったのか。LAボーナスとはボスに止めをさしたプレイヤーだけがゲットできるレアドロップ。ボスモンスターはフィールドにポップする普通のモンスターとは違い倒されればリポップすることはない。実質最高のレアモンスター。ドロップアイテムもそれに見合ったレアアイテムになる。それが狙いだったのは同じ元ベータテスターのオレでも少しショックを受けた。
「・・・頼む。ボスを・・・ボスを倒してくれ。みんなのために」
それだけ言い残しディアベルさんはポリゴンとなり、この世界からも現実の世界からも消え去った。
このデスゲームが始まった時自分が生き残ることしか考えていなかった。だがディアベルさん、あんたもベータテスターなのに他のプレイヤーたちを見捨てなかった。みんなを率いて見事に戦った。ーーーそれに比べてオレはどうだ。自分のことしか考えていなかった。オレは左腕を現実で失い、この世界でも奇妙な物を見られるような視線を浴びないためにこんなマントを羽織り、左腕だけじゃなくて自己中心的な考えも隠していたんだ。
「・・・キリト、お前がボスに止めをさせ。オレがサポートする。もう・・・何も隠さない!」
「!?お前、その腕!・・・わかった、サポートよろしく!」
オレはマントをアイテムストレージにしまい、キリトにそう言った。キリトはオレに左腕がないことに驚くが、アバターが現
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