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ウルゼロ魔外伝 GANTZ/ULTRASEVEN AX
死からの始まり
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にはかすり傷もなかった。これは一体どういうことなのだろう。
「…お前ら来るなよ」
すると、紫のシャツを着たヤクザが女の子の手を引っ張りだし、そのまま玄関の方へ歩き去った。

しばらくすると…

「きゃああああああ!!!!」
女の子のものと思われる悲鳴が聞こえてきた。その悲鳴だけで、何が起こったのか誰もがたやすく理解した。
「ちょ、なにやって…!」
教師という役職もあり、さすがにこれはまずいだろと思った山田だが、ヤクザが怖いのか踏み出しきれていない。
「…よし!」
「加藤…?」
加藤は立ち上がると、さっきのヤクザの男の向かった玄関に歩き出した。駅の出来事もあった、もしやと思って、加藤がさって言った居間の入り口似目を向ける。
「ってめえなんだこら!」
直後、ヤクザの男と殴り合う加藤。そのままリビングになだれ込んだ。やはり、ヤクザは女の子を文字通り、レイプしようとしていたのだ。加藤とヤクザの男の取っ組み合いが続く。
「クソガキ!!こらぁ!」
「ふぐぉ…!!」
ついにヤクザの男は完全にキレると、加藤の腹にきつい腹パンを与えた。さすがにこれはやばい気がした玄野だが、もう巻き込まれるのもごめんなのか、チキンな性格もあってか、なるべく関わりにならないようにと一歩身を引いた。
しかし、崩れ落ちた加藤の胸倉をつかみ、さらに猛一発殴りつけてやろうかとしたところで、思わぬ横槍が入った。
「な、なんだ…!?」
突然凄まじい力でヤクザは腕をつかまれた。それをつかんでいたのは、先ほど、ジンと名乗った少年だった。
「やめてください。そもそも彼女に乱暴しようとしたあなたが悪いじゃないですか。警察に突き出しますよ?」
「あぁ?ガキ…何正義の味方みたいな顔してんだ?殺されてぇのか?ええ!?」
苛立ちの矛先をジンに向けるヤクザ。、
あぁ、バカだ…と玄野はジンに向けて呆れた。首を突っ込んだりしなけりゃこんなことにならなかったのに。きっと勝とう以上にぼこぼこにされて病院送りにされるに違いない…

と思っていたが、驚きの結末が待ち受けていた。

「うげ!?」
なんと、次の乱闘に勝ったのはジンのほうだった。ヤクザの男の拳をいともたやすく受け流し、相手の顔面を、加藤が食らった以上の一発のパンチを食らわせたのだ。居間の一発で、ヤクザは顔を押さえて壁に背中を預けた。
「あ、が…がが…」
「マジ…?」
ヤクザも恐ろしかったが、今度は全員がこのジンという少年に戦慄した。見た目からして自分と同じ力に自身がなさそうな奴だというのに、ヤクザをたやすくのしてしまったとは。
「次変なことしたら、鼻をへし折りますよ」
脅すように、ジンは言った。声にもやけに迫力が強く出ていた。
(すげぇ…ヤクザのおっさんを倒しやがるとか…テコンドーでもやってんのか?)

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