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異世界に呼ばれたら、魔法が使えるようになりました。
不穏な影
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 リリアが何処かわくわくしているように聞いてきたので、多分、すでにある程度検討はついているのだろう。
 だから僕が、

「魔法図書館で手に入れた魔道書の問題? で、試験を受けていました」

 それ以外に答えようがないので僕がそう答えると、リリアが目を瞬かせて、

「魔道書? 選ばれちゃったの?」
「はい、“ニートナ備忘録”という物です」
「あの図書館に置いておいたけれど何百年も持ち主が見つからなかったので誰でも見れる本棚に移されてしまったというあの伝説の!」
「……多分その伝説の魔道書です」
「へぇ、もしやその手に持っている物が?」
「はい、そうですけれど……」
「ちょっとだけ見せてもらっていいかな?」
「魔道書って持ち主を選ぶのでは?」

 その問いかけにリリアが笑った。
 それこそにやぁと、極悪な笑みをを浮かべて、

「無理やり開かせればいいのよ。魔法的なプロテクトの解除は得意なの」
「えっと……失敗したらどうなるのでしょうか?」
「この世から魔道書が消えてなくなるわ」

 僕は無言でその魔道書を隠した。
 そんな僕に彼女は笑い、

「残念だわ。それでそのテストはどうだったの?」
「ぎりぎりでした」
「そう、ちなみにどうして点数が悪かったの?」
「魔法技巧が低かったので。というか0でした」

 恥ずかしいが事実なのでそう告げるとリリアは目を瞬かせて、

「魔法技巧はどうやってもとれる物じゃない? 魔法は組み合わせや小手先の技が使えないと大体駄目だったりするし……力で押し切ったわけじゃないんだから」
「えっと、力で押し切りました」
「……レイア、この子そんなに魔力が強いの?」

 そこでリリアが真剣な顔でレイアに問いかける。
 するとレイアは頷き、

「はい、“魔力結晶石”が瞬時に崩壊して、強力な魔法が放ててしまうくらいです。しかもこの“魔力結晶石”が幾らでも作れるようです」
「……軌道のためだから少ない魔力で済むとはいえ、底なしに近い魔力ね。うーん……」

 そこでリリアは何かを考え込むように呻いてから、軽くぽんと手を打つ。

「それならもう少し強力な“魔法結晶石”が採れる所に行ってみない? 魔族の領域だし魔物もいたりするけれど、それくらい強いなら大丈夫そうだし」

 それを聞いた僕は確かにそういったものがあるなら欲しいなと僕が思っていると、

「リリア。まだそれは……」
「ん? あれくらいの魔力があるなら大丈夫じゃない? それにそういったものがあった方が沢山の魔力を使うならいずれ必要になるだろうし。それに」
「それに?」
「あまり長くこの状態が続けられるか分からないといった感じかしら」
「……」
「手は幾つかうってみたけれどどのくらい効果があるの
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