暁 〜小説投稿サイト〜
歌集「春雪花」
137

[8]前話 [2]次話



 来りしは

  待てど暮らせど

   流れゆく

 四季のうつろう

    時ばかりなり



 どれだけ彼を想い、待っていようとも…私のところへは、移ろい流れる四季を見せる時間だけしか遣ってはこない…。

 どれだけ彼を愛していようと、それは所詮…私の勝手なのだ…。
 この我が儘な想いは、四季の様をただただ…見つめては送るだけなのだ…。



 空 時雨

  恋に時雨て

   小夜更けて

 想いそぼ降る

     暗き山波



 仕事をしている最中、ふと外を見れば…また雨が降りだしていた…。
 こんな日は彼を恋しく想い…あれこれと思いを巡らせてしまう…。

 あの扉から彼がひょっこり顔を出したこと…他愛ない話をしていた時間…彼の些細な仕草や声、そして笑顔…。

 会えない今、どうして…こんなにも思い出すのか…。

 遠くには闇に隠れた山波がある…。
 ふと…見えないその山波を眺め、ただ取り留めもなく彼のことを…想う…。




[8]前話 [2]次話


※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]違反報告を行う
[6]しおりをはさむしおりを挿む
しおりを解除しおりを解除

[7]小説案内ページ

[0]目次に戻る

TOPに戻る


暁 〜小説投稿サイト〜
利用規約/プライバシーポリシー
利用マニュアル/ヘルプ/ガイドライン
お問い合わせ

2024 肥前のポチ