十五話:血染めの銃弾
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最大の友。この少年は教えられた言葉を今まさに実践しているのだ。
気丈な姿にこの年でよくやるものだと半ば感心する切嗣であったが体は既に逃亡の構えを見せている。その気になれば先程の一撃で殺せたのだがやはり殺さない方が、メリットがある以上は逃亡の為の時間稼ぎで限界だ。
「アクセルシューター、あの人の周りを囲んで!」
そう言った原因もあり、何もかもうまくいく事などない。
クロノの指示を受けたなのはが無数の誘導弾を切嗣の周りに集結させ始める。
先程の速度であればもう抜け出すことは叶わない距離を取り、若干、安堵の息をつくなのは。
だが、それは余りにも短絡的な思考だった。
「固有時制御――三倍速」
その瞬間、切嗣の手にした時間は他の者達の三倍であった。
なのはの視野から掻き消えるように姿を消し、あっという間にその場から離脱を果たす。
そして、同じく三倍の速度で転移の魔法陣を完成させてそこで加速を止める。
「制御解除!」
「い、いつの間にあんなところまで。でも……苦しそう?」
余りの高速機動に目を見開くなのはだったが同時にある事に気づく。
それは切嗣が血の滲んだ手で苦しそうに胸を抑えていることであった。
固有時制御はその気になれば自分の体内に流れる時間を何倍にもできる。
しかし、そこには相応のリスクがある。
速くすればするほど、遅くすればするほどに本来の時間の流れに戻ろうとするフィードバックが発生するのだ。
二倍であればバリアジャケットの保護もあり動悸が激しくなる程度で済む。
だが、三倍になれば心臓が激しく痛み、毛細血管がちぎれる。
四倍にもなればその後の戦闘活動はほぼ不可能といえる重傷を内部に負う。
普通の移動魔法と併用できれば一番いいのだが、このレアスキルの影響か習得ができない。
中々に扱い辛い難しい能力となっているのである。
「転移!」
「ま、待ってください。闇の書の主さん!」
待てと言われて待つ人間などいない。その例に漏れず切嗣もこの世界から姿を消す。
逃がしてしまったことに落ち込みかけるなのはだったがすぐにクロノの様子が気になり駆け寄っていく。
「クロノ君、大丈夫? 死んだりしないよね?」
「死ぬほど痛いがこの程度じゃ死なないさ。それにフェイトも守りきれた」
「よかったぁ……。でも、闇の書の主さんを逃がしちゃった……ごめんなさい」
一応の無事を知りホッとするなのはだったがすぐに主を逃がしたことを謝る。
一方のクロノは謝罪を聞きながら止血を行い、事の結末を報告する。
その上で何やら地
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