十五話:血染めの銃弾
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――二倍速!」
告げられる言葉は自らの体内を流れる時を制御する為の暗示。
神経の反応・伝達速度、筋肉の応答速度、体内活動全てを高速化させるレアスキル。
体質故に普通の高速移動魔法が使えぬ切嗣唯一の高速機動の方法であり、固有。
通常の二倍の速度で動くことが可能となった肉体でもって誘導弾を避けていく。
「速い…っ。でも、追えないわけじゃない!」
なのはの言うように固有時制御は高速移動が可能であるが決して追えない訳ではない。
特に高速機動を得意とするフェイトと何度も戦ってきたために、ただ速いだけであるのならば敵ではない。
だが、魔導士殺しに真っ当な戦闘を期待するのは間違いだ。
相手に弱点があるのならば徹底的にそこを突く。
「狙いはフェイトか!」
「フェイトちゃん!」
気絶したまま動くことが出来ないフェイトに向け、キャリコを向ける。
それに気づいたクロノがすぐさまバリアを張り、防ぐ。
しかし、それこそが魔導士殺しの狙いだ。
動けぬ味方は戦場では荷物にしかならない。
助けようと思えば動きを阻害され攻撃を受け続けなければならない。
誘導弾に当たらぬ様に動きながら弾幕を張って、牽制を行いながら右手にコンテンダーを構え標準を定める。
「トンプソン、カートリッジロード」
30-06スプリングフィールド弾型のカートリッジは通常よりも多くの魔力が込められている。
さらに、実弾として使用することもでき、切嗣の奥の手を除いては最大の火力を誇る。
そんな一発の弾丸が銃口から放たれる。
通常のカートリッジの使用は基本的に派手な技を使う際の魔力を補うものだ。
しかし、切嗣は全ての魔力を一発の弾丸の威力を底上げする為だけに使用する。
種類としては直射型、貫通性を極限まで高めた一撃。
辺り一帯を消し飛ばすような派手さはない。
だが、しかし―――如何なる防壁であろうと貫き、敵を穿つ力はある。
『Penetration shot』
それは威力そのものよりも、人間を貫き、撃ち殺すことだけを目標として作られた魔法。
フェイトの前から動くに動けないクロノのバリアを何も無い様に弾丸が貫いていく。
彼が目を見開いたときには既に遅く、その左肩には無残な風穴が空けられていた。
一瞬の間の後に赤い血潮が噴き上がり砂の大地を赤く染め上げていく。
「ぐぁああッ!?」
「クロノ君ッ!」
「ぐ…っ、僕のことは後回しだ! それよりも闇の書の主を!」
肩を打ち抜かれた直後だというにも関わらず歯を食い縛り指示を飛ばすクロノ。
窮持にこそ冷静さが
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