十五話:血染めの銃弾
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ろだが、常識的に考えればそれは不可能だ。
これがスカリエッティであれば造作もなくやってみせるだろうがあれは普通ではない。
そうなれば、犯人は自然と内部犯となる。
信頼の厚いリーゼ達が疑われる可能性は低いがそれでもゼロではない。
何より、自分の姿をしっかりと見せることで闇の書の主と誤認させる意図もあったのでやらせなかったのだ。
それらも踏まえ、管理局の情報を筒抜けにできるという利点を失う可能性を徹底的に排除したことが裏目に出る結果となってしまった。
(シグナム、ヴィータ。僕が合図をしたらすぐに離脱を図ってくれ)
(何かあるのか、切嗣?)
(勿論、君達とは違って少々汚い手になるけどね)
(……分かりました。合図をお願いします)
しかし、この程度の不足の事態で魔導士殺しは揺らがない。
クロノが到着したということは結界魔導士の到着も近いという事である。
すぐさま思考を離脱に切り替えて指示を出す。
幸いこちらは三人で相手は二人。全員を捕えることは難しい。
そして、クロノさえどうにかしてしまえば、疲労しているなのはを振り切るのは難しくはない。
(なのは、全員を捕えるのは無理だ。結界班が来るまでの足止めが最優先だ。それも主を重点的に狙ってだ。主が逃げられない以上は騎士達も逃げられないはずだ)
(分かった、クロノ君)
だが、クロノとて伊達に執務官をやっているわけではない。
的確な指示を出して逃げられないように見えない包囲網を張る。
ここで、取り押さえて闇の書の事件を終わりにするという強い意志の元、切嗣を睨みつける。
しかしながら、彼は理解していなかった。魔導士殺しの―――辛辣さを。
「クロノ・ハラオウン、どうやら父親と同じで―――犬死にしたいらしいな?」
「―――ッ!」
それまで冷静さを保っていたクロノの顔が僅かばかりに歪み、構えたS2Uが揺れる。
わざと挑発することで作り出した隙に乗じて切嗣は離脱の合図を出す。
その場から離れていく騎士達。
しかし、なのははそれに目をくれることもなく切嗣に誘導弾を飛ばしていく。
クロノの指示通りに動けば騎士達は逃げられないと思って。だが。
(お父上!)
(切嗣!)
(心配はいらない。君達ははやてを―――主を守るんだ)
((……ッ!))
クロノ作戦は前提から崩れているのだ。切嗣は主ではない。
故にシグナムとヴィータは己の未熟さに歯噛みしながらもはやてを優先し、転移していく。
驚く二人をよそに切嗣も動き始める。
何も、自分が生贄になってこの場を乗り切ろうなどという殊勝な考えではない。
誘導弾が迫りくる中、ニヤリと不敵な笑みをこぼす。
「固有時制御
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