第十話・外伝「蒼真と神無……」
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やく死ねるのかと自分の死を受け入れようとした。
……が、そう簡単に死ぬことは許されなかった。
「……?」
次に目を覚ました時、ここはあの世かと思ったが、残念なことに違った。そこは、見知らぬ器具が目立つ。何かの実験室か何かであろうか。
「あ、目が覚めたかい?」
「……?」
そこには白衣を着た自分と同い年の少年が居た。彼が、後に蒼真の相棒となるリベリオンズの天才科学者の魁人である。これが、彼との初めての出会いであった。
ちなみに彼、魁人は試験官ベビーであったからしてフルネームは与えられず、研究員から「カイト」と名づけられ、後に日本へ移住した時にその名前を漢字で表記したらしい。
「アンタは……?」
「僕は魁人、日本へ移住しているリベリオンズの科学者さ?」
「リベリオンズ……?」
このとき、蒼真はリベリオンズの存在を知ることとなる。そして蒼真は自分が犯罪者であることを隠そうとしたが、魁人は何も効こうとはせず、ただ単に人助けとして蒼真を助けたとだけ言って、しばらくの間彼を自分の元で保護することにした。
こうして、蒼真は当分の間蒼真の元で居候させてもらうことになり、暇なときは彼と雑談を飛ばし合ったりして楽しんだ。元々お互い変わり者同士ゆえに気も合ったようだ。
魁人は、今まで試験管ベビーと化け物扱いされてきた中で初めて同い年にして彼に親しい友人が出来、蒼真を心より受け入れた。後に二人は親友となり、そして互いに己の正体と大罪を犯した過去を打ち明け合い、絆を深めていった。
それからは二人はコンビになって共に行動し、魁人はリベリオンズの対IS兵器「RSリベリオン・セイヴァ―」を蒼真に与えて、彼のサポート役を務めて、幾年にわたってIS社会と戦い続けていった……
*
「……?」
夢から現実へ戻ってきた蒼真は、静かに暗い部屋の中で静かに瞼を開けた。
――夢……だったのか?
に、しても懐かしく、そして忌々しい記憶の回想であった。あんな夢は、もう二度と見たくないものである。
「……神無?」
そのとき、ふと障子に人影がうつった。影の形からして女性と長いポニーテール、まぎれもなく神無であった。
「蒼真、入るぞ……」
静かに障子が開き、そこからはいつのものように巫女装束の彼女がランプを照らして部屋へ入ってきた。
「夕飯はどうする?」
「しばらく、何も口にしたくない……」
「そうか……やはり、あの事で?」
聞いてはいけないことだとわかっている。しかし、彼女は同じ境遇者ならばと恐る恐る彼に尋ねた。
「……アンタは?」
「ん……?」
「……そういうアンタは、束との間に何があったんだ?」
と、ゆっくりと布団から上体を起こす蒼真は、逆に彼女へ返した。
「私か……?」
彼女は、蒼真の元へ座って足を崩すと、自分の過去を喋った。
「……私も其
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