第十話・外伝「蒼真と神無……」
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え、こうしたテロによる悪用も相次ぎ、さらには国さえもISを兵器として違反ながらも軍用化していた。
このような状況からして、各国では激しい内乱と貧富の差が激しさを増し、日本を含めた全世界の国々は、自らの国の領土をエリアごとに強制管理を行っていった。
そんな世界の中で、宮凪蒼真はエリア41という祖父母の住む田舎の集落に引き取られ、そこで差別に縛られずに平凡な生活を送るつもりであった。
*
「ほらぁ、蒼真? 誰がこげんなジュース買ってこいって言うたか!」
田舎の女の子らはこのとき完全に女尊男卑に毒されており、新しく通い始めた中学校では、それが当たり前のようになっていた。
しかし、そんな性差別に猛反発する彼は当然のように田舎弁口調の不良女子らに抗い続けていた。
「テメェらで買いに行きな?」
そう、不愛想に言い返しては言えたが。
「はぁ? コイツ、都会モンのくせして何えばっちょるんか!?」
日々彼の口答えに反発する彼女らは、無理やり彼氏にさせられたクラスメイトの男子らを呼び寄せて、彼らを使って蒼真に暴行を加え始めた。
「蒼真……すまん!」
彼氏にされた男子達も、皆が蒼真にそう詫びを入れながら殴り、蹴り続けた。
毎日帰ってくる蒼真は全身をあざだらけにして帰宅してくる。だが、そんな孫の姿を見て祖父母は何も思わなかった。今亡き両親の駆け落ちによって既に縁を切られているため、蒼真を引き取ったのは、父親の保険金目当てである。
所詮、蒼真は祖父母から「よその子」という見方で冷たく引き取られていたのである……
しかし、そんな彼は日々虐待され続けた挙句、ある邪心が芽生え始めた。憎しみと悔しさによって突き動かされた復讐心でもある。この時、彼に初めて真の悪意が生まれたのである。
「な、何しちょるん……何する気!?」
夕暮れ時の教室に連れ込まれて、包丁を向けられて怯えているのは、今まで蒼真を虐めていた女子の一人だった。自分がしてきた行いに初めて気づいて普通の女の子の仕草を取り始めるが、今の蒼真には何も感じることはない。
「女っつう雌犬は、どういう声で喚くかなぁ……」
そういうなり、蒼真は彼女の体を包丁で滅多打ちにして傷つけた後、その血まみれの包丁で彼女のセーラー服を切り裂き、半殺しにした。
さらに、その勢いは止まることなく、彼を虐げてきた女子生徒達の自宅へ放火を行い、さらに祖父母の物置から盗んできた桑で少女達の背後から殴りつけて重傷を負わせた。
そして、最後に彼を警察へ連絡した祖父母の自宅にも火をつけて、彼はこの集落から逃げ去った。
後に指名手配された蒼真には、どこにも行くあてはなく、こうして野垂死ぬのを待つばかりだった。
徐々に疲労に見舞われ、何日も飲まず食わずで歩き通し、迷い込んだ深い山中で彼は行倒れとなって意識を失った。こうして、よう
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