第十話・外伝「蒼真と神無……」
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さんの邪魔ばかりする裏政府のウイルス共がうろついているって聞いたけど、それってテメーのこと?』
「束ェ……!!」
『そうカッカしんさんな? どうせ、束さんの邪魔するウイルス共は、みーんな束さんが全殺しにしちゃうんだから?』
「そうはさせん! お前の悪事は必ず阻止してみせる!!」
『たった二人しか生き残っていない絶滅危惧種の巫女ちゃん姉妹に何がデキるのかな〜?』
「黙れ!」
――たった二人? 神無と弥生のことか? どういうことだ……
蒼真は、神無へ振り向いた。
「私達だけでも、命をかけてキサマと戦う! 例え刺し違えてでも……」
『無駄♪ 無駄♪ どーせ神無ちんや弥生ちんも、パパやママみたいに束ねさんによってペタンコにされちゃうんだからさ〜?」
「ッ……!!」
神無は、冷静を保ちつつも激しく無人機を睨み付けた。
――確か、両親は居ないと神無は言っていたな……
咄嗟にあのとき彼女が発した言葉を思いだすと、蒼真は叫んだ。
「束! テメェ……神無達の両親をどうしたんだ!?」
『ハァ? テメ―にはカンケーねぇだろ? まぁ、強いて言うなら……テメ―のと同じようにファミリーを殺したんだよ? そうそう、ワカメのママを自殺へ追い込むよう政府に仕向けたのは、この束さんなのだ〜! テッヘン!』
「なに……!?」
――母さんは、父さんが死んだショックで自殺したんじゃなかったのか!?
『ニンゲンってさ〜? 死んだ好きなヒトのことでシツコク追い詰めてやるとすぐにクビつっちゃうね〜? それと? テメ―のパパの脱出にプロテクトかけたのもこの束さんで〜す♪ ブイ!』
「ッ……!?」
全ては偶然ではなかった。親父の戦闘機の脱出機能にプロテクトをかけ、さらにお袋を政府の人間を使って自殺へ追い込むよう仕向けた……
蒼真の表情は途端に暗くなる。そして、真実を耳に今よりも更なる憎しみが彼の中から湧き上がってきた。
彼の、迅紅を握る手が強く震えだした。
「……してやる!」
蒼真は呟く。
『ハァ?』
「……殺してやるぞ、殺してやる! 束ェ!!」
大粒の涙と共に彼は叫んだ。
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しかし、そんな憎しみに満ちた彼の反応を、束は面白げに聞いていた。
『クスクス……そーんなに死にたいんだ〜? あの大好きなパパみたいに〜?』
「黙れぇ!!」
そして、次に気付いたときには迅紅が無人機の頭部を斬り飛ばしていた。そして、束の通信が途絶え、ノイズへと変わった……
「……」
神無も、そんな蒼真の後姿をただ見守るしかできずにおり、時期に夜空が雲に覆われて夜の雨に二人は打たれる。
雨は次第に激しさを増し、蒼真はずぶ濡れになりながら、ただ地面の砂利を見つめていた。
「蒼真……」
風を引くからはやく中へ……と、神無は声をかけようとするも、蒼
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