第十話・外伝「蒼真と神無……」
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る夜更けのことである。
満月の輝くその夜のこと、縁側をドタバタと走る物音に彼は起こされた。
「……?」
ふと、障子川へ寝返りを打つと、その障子をバタンと開けて巫女装束に着替えた神無が真剣を片手に押しかけてきた。
「蒼真殿!?」
「ん、どうした……?」
「夜更けに申し訳ないが、敵襲だ!」
「なに!?」
その一言に、蒼真は勢いよく起き上がり、すぐさま私服へ着替えると、彼女と共に縁側を走った。
「敵勢は!?」
「無人ISが五機だ……!」
――こんな時に夜襲か!?
眠気が残るものの、蒼真は迅紅を片手に神無と共に境内へ飛び出した。
「……来るぞ!?」
彼女の台詞と共に月に浮かぶ三体のシルエットが浮かび上がった。それらは一瞬のうちにこちらへ迫り、そして境内の砂利をまき散らしながら着地した。
――見たこともないタイプだと!?
それは、彼が調査した無人ISとは違い、巨大な両椀部より従来のサイズ、シンプルな黒い装甲に覆われた人型のシルエットであり、右腕には近接戦のブレードが握られていた。
「来るぞ……!」
神無が叫ぶまさにそのとき、五体のISが一斉に刃を向けて襲い来る。その身の素早さはただ者ではない。
「くぅ……!」
その隙を与えぬ攻撃に蒼真は苦戦する。彼が所有するRS迅紅は、強襲用に手向けた太刀タイプであるため、これほど素早い動きを取る敵数人に襲われれば反撃の余地は厳しくなる。
「ハァッ!」
しかし、神無は彼よりも劣らぬ剣術により一体目の無人機を切り裂いた。
「蒼真殿! 相手は一定の動きしかとらぬ」
「一定の動き!?」
例え人間以上の動きをするとはいえ、所詮はプログラムされたもの。なればと蒼真は迅紅を強く握りしめた。
「……そこだぁ!」
相手の動きに沿って彼は相手の攻撃を弾き返した。そして、その隙をついて一体の右腕を斬り飛ばしたのである。
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「もらった!」
右腕を失い、怯む無人機を真二つに切り裂いた。
続いて背後から斬りかかる無人機を、回し蹴りで跳ね返し腹部を迅紅で貫いた。
神無も、華麗な剣さばきによって二体目を倒す。そして最後に残った一体目を蒼真が斬りかかろうとした刹那、その最後の無人機は素早く彼から距離を取った。
「素早いな……」
次こそは外さないと、迅紅を上段に構えると。
『もう……ここらへんで、束さんのメッセージを聞いてくれないかな〜?』
聞き覚えのある忌まわしい台詞が、その無人機から聞こえてきた。
「束……!?」
その声を聞いて蒼真は目を見開いた。
「出たな、外道・篠ノ之束ッ!!」
神無は真剣の剣先を向けて叫んだ。
「何のようで玄那神社を襲う!?」
蒼真は我に返ると、咄嗟に束ねへ問い叫んだ。
『なーんだ……あの時のワカメ野郎か? 生きてたんだ? 最近、束
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