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RSリベリオン・セイヴァ―
第十話・外伝「蒼真と神無……」
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めたんだろ?」
「……すまぬ、いらぬ世話だったか?」
「最初はね? だが、境内をあの女の血で汚したくなかったから、今回は見逃そうと思ったのさ」
「本当に……殺そうとしたのか?」
神無は、不安な顔で蒼真を見つめた。そもそも、蒼真は平然と「殺害」を衝動で行おうとしたのだ。昨日まで、気のよさそうな青年が突如あのように豹変するというのは、何やら訳があるようだ。
「蒼真殿……私でよければ話してみぬか?」
しかし真は静かに首を横に振った。それを見て神無も「そうか……」とだけ返すと。奉仕のため境内に向かった。
「さて……」
蒼真は、立ち上がると現下院へ向かい、神無へ別れを告げようとしたのだが。
「……?」
RSの通信機能から呼び出し音がなった。すぐさま通信ホログラムシステムを展開させてホログラム上のキーパネルをタッチして電話に応答する。
「はい、宮凪です……」
『あ、蒼真か? 俺……』
と、通話の相手は魁人であった。
「どうした?」
『勤務内容が変わった。君はしばらくそこで滞在しろだとさ?』
「どういうことだ?」
『上層部によると、糞兎共がそこの玄那神社をターゲットに軍勢送り込んでくるんだと? 天弓侍神無という重要な人物を保護するよう君に命令が来た』
「そ、そうか……それ以上変更はないんだな?」
『ああ、ない……』
「本当だな?」
『本当だよ?』
「本当に本当だよな?」
『本当さ?』
「よし、わかった……本当だな?」
『その場所が気に入ったのかい?』
「べ、別に……!」
あまりにもしつこいから尋ねてみると、やはり図星だった。
『いいよ? 本部は、そこを僕らの支局にしようかと考えている。神無さんにも要件を話せばきっとわかってくれるさ?』
「そうだな、じゃあ俺が話してこよう」
『じゃあ、頑張りな?』
そして、通信は切れた。まさかの展開に蒼真は隠れつつも小さくガッツポーズを取ったのだ。また、あの露天風呂に入れると思うとラッキー! と、叫びたくなった。
――しかし、神無はわかってくれるだろうか?
そう不安に思っていたが。彼女は別に蒼真ならと迷惑にならないと言ってくれた。
「……そうか、なら別によい。むしろ歓迎しよう?」
「本当か?」
「ああ、前々から私一人では苦戦を強いられることが多かったのでな? 一人でも戦力が加わってくれるのなら頼もしい。そなたの実力はあの時しかと見せてもらった」
「あの時? ああ……お前が鬼みたいな顔して俺に斬りかかってきたんだろ?」
「お、鬼とはなんだ! 私はそんな顔などして……」
顔を赤くする神無に蒼真は優しく微笑んだ。
「ま、そういうことで……しばらく厄介になるな?」
「そうか……なら、こちらに住むことになった以上、少しは働いてもらうぞ?」
「おう、男仕事なら任しとけ!
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