4部分:第四話
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叩き潰すべきなんだよ。あんなオーナー永久追放になっちまえ」
実は選手達はそれ程嫌いではない。よくレフトを守っているいかつい顔の日本人はわりかし好きである。最初顔を見た後で年齢を聞いて驚いたものだが。
「あれが二十代の顔か」
そう思ったものだ。まるで日本の映画大魔神のようだと思った。シアトルには本当にそんな仇名の日本人選手がいたと聞いているが実は彼はそちらはよく知らない。
ちなみに彼の大嫌いなそのヤンキースのオーナーは二度程永久追放になっている。コミッショナーと衝突することも多い何かとお騒がせの人物なのである。だが少なくとも彼は野球が好きではある。
だから最低限の許容範囲にはあった。ヘンリーの心の中では。悪態をつきながらも試合を楽しみにしていた。当然レッドソックスが勝つものと信じて疑ってはいなかった。
時間が来たので球場に向かった。アニーのハンドルもブレーキも絶好調であった。彼はそれを確認してさらに上機嫌になった。
「御前もレッドソックスの勝利を願っているんだな。当然だよ」
ヘンリーは上機嫌でまたアニーに声をかけた。
「今日勝って一気に突き放す。そして優勝だ」
優勝について考えるだけで頭がとろけそうだった。勝利に沸き立ち、抱き合う愛する選手達のことを思うとそれだけで頭が一杯になる。優勝と選手達と共に味わうあの一体感程素晴らしいものはない。少なくともいつも優勝して当たり前といったヤンキースのファンにはわからないだろうと思っていた。
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