暁 〜小説投稿サイト〜
魔道戦記リリカルなのはANSUR〜Last codE〜
Epico39転移門ケリオンローフェティタ〜Road to Alfheimr〜
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――真紅の両翼(ルビーン・フリューゲル)――

上空を覆う上層雲海と地表を覆う下層雲海の狭間、俺たち“アンスール“メンバーの姿が彫刻された黄金の支柱が左右に並び立ち路を作っている広大な空間が視界に入る。何もかも懐かしい。このアールヴヘイムをこれ以上好き勝手させるものか。
俺が設定したオートパイロット機能によってラレス・フィアレスがかつて住民が住んでいた浮き島の1つへ向かい始める。今もその島に人が居れば、着陸したあの無抵抗の艦から勝手に神器を運び出してくれるはず。たとえそこに住民が居なくても別の島から、何かあった、として来てくれるだろう。

「ミスター・リンドヴルムッ!!」

拡声術式で何倍もの声量にしたうえで首領に呼び掛ける。するとすぐに「こうして直接話すのは初めてだなランサー、いや神器王!」呼び掛けに応じた首領が俺たちの目の前に現れた。

『ルシル。コイツ・・・ヤバい・・・!』

『ああ。直接相対してよく判ったよ。コイツは・・・俺たちと同類だ!』

明らかに現代に存在していいような神秘持ちじゃない。“エグリゴリ”ではない。神器でもない。となると間違いなく魔術師。しかも大戦に参加していても何らおかしくないほどの圧倒的な実力者。誰だ。首領の正体はいったい誰なんだ。

「ミスター・リンドヴルム。シュヴァリエルは消滅し、ホムンクルスも撃破された。リンドヴルム兵も全員が逮捕され、拘置所へと連行された。お前のリンドヴルムは壊滅した。諦めて捕まるといい!」

「馬鹿を言うな、神器王! 私はロストロギアが好きだ、神器も好きだ、あらゆる財宝が好きなのだ! アールヴヘイムの神器は実に美しく素晴らしいものだった! なれば別の世界の神器はどうなのだろうな! まだ見ぬ美しき神器があるだろう! 心が躍る躍る!」

「説得は無理みたいね」

「みたいだな。アイリ、頼むぞ」

『張り切っちゃうもんね!』

“エヴェストルム”の神秘カートリッジを2発とロード。シャルもデバイスの“キルシュブリューテ”の神秘カートリッジを1発ロード。警戒から臨戦態勢に移行。

「神器王。君の精神世界にも数多くの神器が眠っていると聞いた。ソレらも渡してもらおうか!」

首領がローブを脱ぎ捨てた。アイリの言うようにその外見は初老の男性。燕尾服にアスコットタイといった服装で、出で立ちは正に紳士と言った感じだ。だが人間には無いはずの物が首領の異質さを物語らせていた。

「翼と尾・・・!」

「馬鹿な、魔族だと!! くそっ、今頃になって・・・!」

首領の背中からは黄金の輝くコウモリのような翼が一対、腰と臀部の狭間からは黄金の鱗に覆われた太い尾が生えていた。そこでようやく俺は思い出すことが出来た。どこかで感じた神秘なのかを。首領から感じ
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