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魔道戦記リリカルなのはANSUR〜Last codE〜
Epico39転移門ケリオンローフェティタ〜Road to Alfheimr〜
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、そして今は転移門“ケリオンローフェティタ”への出向準備を整えている最中だ。
ブリッジは艦体に合わせての三日月状で、操作盤らしいものは何1つとして無い薄ら暗い空間だ。操作盤は無いが、曲線を描く壁に沿って90cmほどの円柱が7本と立ち並ぶ。断面には幾何学模様があり、ソレに触れることで操作できるようだ。艦長席には四角柱の柱があり、コレが本艦のメイン操作システムとなる。コイツにステガノグラフィアを潜り込ませることでシステムを乗っ取ることが出来た。

「マイス――コホン、ルシル〜♪」

シュヴァリエルから奪い返すことが出来た家族、アイリが俺の元へと飛んで来た。小さな体で俺の頬に寄り添って頬擦りをしてくる。そんなアイリは「ねぇねぇ、やっぱりマイスターって呼んじゃダメ〜?」何度目かの確認をしてきた。

「ああ、ダメだ。今の俺はオーディンではなくルシリオンだ。そこは区別しておきたい」

「変なの〜。アイリは、オーディン、って呼んでるわけじゃないんだよ? アイリを御する資格を有するから、マイスター、って呼んでるだけなんだし。ルシルはこれからアイリのマイスターになる。ほら、マイスター呼びでも良くない?」

「それは・・・」

即座に言い返せない。今後の俺の事を考えれば、アイリのマイスターははやてにしておきたい。そのために今の内に俺への執着を弱らせておきたい。

(バンへルド、グランフェリア、シュヴァリエルの3機を救うことが出来た・・・)

ガーデンベルグとリアンシェルトの二強は未だに俺を悩ます問題だが、約2年で2機を救えたんだ。この調子で行けば10年内に俺は“堕天使エグリゴリ”全機を救えるだろう。

(シュヴァリエルめ。厄介な置き土産を遺してくれたものだ。奴がアイリに俺の真実を伝えなければ、こんなに悩む必要はなかったのに・・・)

オーディンとルシリオンは別存在としておきたかった。アイリは、外見からして俺をオーディンと重ねるくらいはあってもマイスターとは呼ばなかっただろう。俺への執着もはやてやリイン、シグナム達の存在によってそんなに強くはならないはずだった。だが、俺がオーディン本人であると知った今、アイリは俺への執着はかなりのものになっている。

(近い将来、ガーデンベルグと戦う時、アイリに別れを告げようとも今度は死ぬまで俺について来るだろうな)

最強の“エグリゴリ”、ガーデンベルグとの戦いは正しく俺の存在を消費して闘うことになる。となれば俺の側、ユニゾンしているアイリは確実に死ぬ。そうならないために、俺への執着を弱めておきたい。だからマイスター呼びではなく名前呼び。とは言っても、これでも弱めることが出来ないかもしれない。いや、真実を知った時点で俺の策は成らない。そう、もう考えるだけ手遅れなんだ・・・。

「(最悪の手段
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