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幽霊はいつも気まぐれ
2部分:第二章
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第二章

「まあすぐだな」
 彼は言った。
「今日は道は静かだしな。けれどよ」
「何?」
「こういうところはあまり出歩くものじゃないぜ」
「悪いの?」
「悪いってわけじゃないけれどな」
「じゃあいいじゃない」
「まあな」
 何となく答えをはぐらかされてしまったのが面白くなかったがそれは抑えることにした。
「終わりまでだったよな」
「ええ」
「わかったよ、じゃあ行くぜ」
「お願いね」
 こうして隆一は彼女を乗せて進みはじめた。運転しながら彼女に話し掛ける。
「あんた何処にいるんだい?」
「何処に住んでるかってこと?」
「そうさ、ここなのかい?」
「そうよ」
 彼女は答えた。
「ここにいるの」
「そうだったのかよ」
「それがどうかしたの?」
「いや、別に」
 ありきたりの返事だったがそこにこうした話にお決まりのものを感じていた。
「ここなのか」
「そうだけれど」
「ふうん。じゃあここには詳しいのかい?」
「そのつもりだけれど」
「じゃあさ。色々ここの話も聞いてるよな」
 彼は問うてきた。
「変な話とかな」
「そういうのは知らないわ」
 女はしれっとした様子で述べた。
「興味ないから」
「そうかい」
「ええ。まあ夜出歩くのは好きだけれど」
「物騒なことで」
「最近街道レーサーっていうの?夜騒がしくなったけれどね」
「だから出歩かない方がいいぜ」
 親切な言葉をかける。彼もそれ程悪い男ではないのだ。
「いいのよ。だってわかるから」
「わかる?」
「どういった人かね。勘で」
「ふうん、勘ね」
 ファミレスでの卓也との話を思い出していた。そういえば幽霊ってのは人を見るとか言っていた。そのことを思い出していた。
「そうよ、勘がいいのよ」
「じゃあ俺は大丈夫なのか」
「そう思ったからお願いしたのだけれど」
「俺が紳士だからか?生憎だけれど遊び人だぜ」
「じゃあこのままホテルにでも消えるの?丁度そこにあるわよ」
 左手を指し示す。見ればこうしたハイウェイにはよくある洒落た外観と看板のホテルが一つあった。左手は山、右手は海となっているのでかなり見晴らしがいいホテルである。
「遊び人だったらすぐに行くわよね、そのまま」
「いや、止めとくよ」
 だが隆一はその言葉には乗らなかった。
「気分じゃないからな」
「そうなの」
「がっかりしたかい?」
「いえ」
 それには首を横に振った。振ると髪まで揺れてそれが月明かりを跳ね返していた。
「だったらそれでいいわ」
「淡白だね、どうも」
「それはそれで終わりまですぐ行けるから」
 何か達観した感じの口調であった。
「それでお願いするわ」
「じゃあそうさせてもらうぜ」
「ええ」
 こうして寄り道もなくハイウ
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