疑惑
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無意識のうちにスタンドを発現していた。
嫌な汗が頬を伝う。
時間を止められた訳でもないのに、不思議と身体が動かない。
なぜ、あいつが。
確かに倒したはずだ。この手で。
いくつもの思いが頭を巡る。
思考が現状に追いつかない。
だが、やらねばならない、何をしなければいけないのかはもう分かっている。
承太郎「オオオオオ!スタープラチナ!」
分身がDIOの方向へ一直線に向かっていく。
さぁ来やがれ…DIO。
どう動く、時を止めるか、それとも…
ドガッ!
スタープラチナのふるった拳はいとも簡単にDIOの右頬に入った。
スタンドで防御するでも避けるでもない。
微動だにすらしなかった。
殴られた勢いでDIOは後ろに吹っ飛ぶ。
承太郎「…蘇ってすぐで悪ぃが遊んでる暇はねぇ。出しな、てめーのスタンドを。」
じりじりと間合いを詰めていく。
DIOは倒れたまま立ち上がる気配すらない。
まさかさっきの一撃でダウンするほどヤワではないはずだ。
後ろを振り返る。
ジジィと目があった。
ジョセフ「うむ…気を付けるんじゃ。」
承太郎「あぁ…」
相手はあのDIOだ。
一筋縄でいかない相手であることは重々承知している。
たった一瞬。一瞬の思考の乱れが命を危険にさらすのだ。
細心の注意を払いつつ拳を握りしめた。
DIO「…ここは」
ふ、とDIOが口を開いた。
ざわついていた場が静まり、再び空気が凍りつく。
早いとこぶちのめした方が得策だろうか、
次の拳をふるおうと構える。と、
DIO「貴様は、何者だ…私は、一体…」
承太郎「しらばっくれてんじゃあねぇぜ。」
DIO「…」
これは演技だろうか、油断を誘っているのだろうか。
だとしたらまんまとはまる訳にはいかない。
有無を言わさず再起不能にしてやればいいだけだ。
DIO「ふむ…全く状況が掴めん。それに何か誤解しているようだが…。危険因子とみられているようならおとなしくしていたほうが賢明だな。」
何を考えているのだろう。
DIOは両手を合わせ手錠をかけろと言わんばかりの体制をとった。
この反応に周りは驚きを隠せない、
あのDIOが?何か裏があるはずだ。
承太郎「てめー…何を企んでいやがる。」
DIO「企む…?」
訳が分からないと言わんばかりに首をかしげる。
こいつは本当にあのDIOなのか?
頭の中はさらに混乱していく。
ジョセフ「やつが何を考えているのか分からんが…ハーミットパープル!」
承太郎の横から茨のスタンドが伸びていく。
それはまっすぐにDIOに向かい、一歩も動けぬよう巻きつけた。
ジョセフ「やつがわしのスタンドを引きちぎろうと
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