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ストライク・ザ・ブラッド 〜神なる名を持つ吸血鬼〜
追憶の惨劇と契り篇
53.激戦外
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けた。
「ねぇ、こんな人に助けを求めるなんて間違いだよ。もう少し行けば、ボクの仲間がいるからそっちに行こうよ」
少女は彩斗の背中を軽く押す。
「それなら京子は置いていきなさい。獅子王機関じゃ京子を助けることはできないわ」
「そんなのわからないじゃ……」
「あなたたちが今まで見てきた光景をみればわかるはずよ」
少女の言葉を遮って美鈴が強い口調で言い返す。
その言葉に何も言い返すことができない。
圧倒的な力を持った“
神意の暁
(
オリスブラッド
)
”を前に彩斗たちができたことが少なすぎた。
先ほどの赤髪の吸血鬼を倒すことができたのだってどうやったのか自分でもわからない。あの時は、まるで自分が自分ではなくなってしまったのようだったから。
頭の中がグチャグチャになっていく。考えがまとまらない。
すると腕の中にいた京子を強引に美鈴が奪い取る。
凄まじい力で抵抗することもできなかった。
「早く安全なところに避難すること。わかった、彩斗くん」
美鈴はこちらの反応を待つことなく京子もろとも体が霧へと変わっていき、一瞬のうちに姿を消してしまった。
何もできない。何も言い返せない。
無力な自分に嫌気がさしてくる。
ここで安全なところへ避難すれば彩斗は助かるだろう。もちろん少女もだ。
金髪の吸血鬼の目的は“
神意の暁
(
オリスブラッド
)
”の力を手に入れることなのだから。
もはや関係ないと言ってしまえばそれまでだった。
多分、“
神意の暁
(
オリスブラッド
)
”の誰に聞いてもお前は関係がないのだと言われそうだ。
(それでも……それでも……俺は)
「……バカなことだってことはわかってる。無茶だってことも、俺にできることなんてないことだってわかってる……それでも……」
「助けに行くんでしょ?」
少女は呆れながらも優しく微笑みかける。
「だったらボクも行くよ。君一人だけじゃ心配だしね。それに君が頼りにしてるのってこれでしょ?」
銀色の刃を地面に二、三回当てる。乾いた音が空気を振動させる。
「ま、まぁ、そうだけどこっちでもいけないことはねぇだろ」
彩斗が握っていたもう一本の銀の刀を突き出す。
「それも唯里から奪った物じゃんか」
今度は完全に呆れたという顔でこちらを見てくる。
「それじゃあ、行こっか……えーっと……」
「そういやまだ名乗ってなかったっけか? 俺は緒河彩斗」
「彩斗君か……ボクは逢崎友妃。友妃でいいよ」
友妃が手を差し出す。
その手を彩斗はしっかりと握り返した。
「この巫山戯た
祭典
(
たたかい
)
をぶっ壊すぞ、友妃!」
「うん! 行こ、彩斗君!」
銀色の
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