十四話:サードコンタクト
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awohl.』
それでも二人はその手に持つ相棒達と共に戦い続ける。
その心に譲れぬ想いを持つが故に。
どれほど交わしたかも分からぬ攻撃を再びぶつけ合わせ、二人同時に地上に降り立つ。
(不味いな……。ここに来て捉えられない速度を出してきた。負ける気はないが短時間で決められるとも思えん)
シグナムは少しばかりの焦りを感じ始めていた。
戦況自体は五分、もしくはこちらが若干押している。
しかし、戦略的には時間をかければかける程こちらが不利になる。
今はまだ結界担当の局員が居ないために結界は張られていないが直にこちらに来るはずだ。
そうなるとフェイトを倒したうえで結界の破壊をしなければならない。
カートリッジの残り数的にも体力的にも難しいと言わざるを得ない。
さらに以前結界を破られた経験を踏まえて何らかの対策を取ってくる可能性も考えられる。
早く戦いを決めてここから撤退するのが上策だ。しかし―――
(テスタロッサ相手に高火力の技が当てられるか? 下手をすれば溜めの隙を突かれて負けてしまう)
そう簡単にいく相手ではない。
だが、自分はやらなければならない。否、やらなければ未来などない。
倒すしかないと雑念を振り払い、剣と鞘を再び構える。
(やっぱりシグナムは強い。クロスレンジもミドルレンジも圧倒されっぱなしだ。今は速さでごまかしているけど……当たったらやられる)
一方のフェイトも焦りを感じていた。
こちらは純粋に相手の方が格上だと改めて理解した上の焦りである。
フェイトは高速機動の為に装甲を薄くしてある。
それ故に直撃しようものなら二度と立ち上がることはできないだろう。
相手は格上。こちらが勝っているものは速さ以外にない。
どうするかしばし悩んだ後にフェイトは覚悟を決める。
(私にはスピードしかないんだ。だから、ソニックフォームを使うしか道がない)
フェイトの奥の手ソニックフォーム。
極限まで装甲を削ることで常軌を逸した速度を手に入れることが可能。
だが、それは同時に更なる防御力の低下を意味する。
まさに諸刃の剣を抜く決意をし、バルディッシュを硬く握りしめる。
そして、両者共に動き出そうとした瞬間―――
「―――え」
「…な…に?」
―――フェイトの体は衝撃を受け、後ろから撥ね上げられた。
乱れ舞う金色の髪、崩れ落ちていく細い肢体。
突然のことに唖然として声を上げるシグナムの耳にそこでようやく銃声が届く。
彼女は狙撃されたのだと気づいた時にはもう遅い。
静かに倒れ、うつ伏せのままピクリとも動かない姿に激高し犯人を捜す。
「何者だ! 出て来いッ!」
天にまで轟く様な咆哮を
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